ボディタイプは2ドアクーペと4ドアセダン
“スーパーチューズデー(Super Tuesday)”と同日の3月5日(現地時間)、アメリカを代表するマッスルカー「ダッジチャレンジャー(2ドアクーペ)」と「ダッジチャージャー(4ドアセダン)」が事実上の統合を果たし(多くの事前情報が明らかにされてきたものの)ようやく正式に発表された。
最大の話題は、かねてよりリークされてきた完全電動モデルシリーズとなる「チャージャー“デイトナ”」の投入だ。今回は2024年央より生産が始まる2ドアクーペの上位機種「デイトナR/T」とパフォーマンス仕様の「デイトナ スキャットパック」が公開された。2025年第1四半期にはデイトナの4ドアセダン、そして558psまたは426psを発生する2種類の3.0L直6ツインターボエンジン搭載車(「シックスパックH.O.」と「シックスパックS.O.」)の生産も開始される。
ともあれ、今回はメインストリームとなりそうなデイトナシリーズの詳細を紹介していこう。
![画像: 車名は「チャージャー」に統一され、2ドアクーペと4ドアセダンをラインナップ。EVモデルには“デイトナ”のサブネームがつく。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/03/08/8ef5cc089a7bef8efb1c18eba6914be7ed854099_xlarge.jpg)
車名は「チャージャー」に統一され、2ドアクーペと4ドアセダンをラインナップ。EVモデルには“デイトナ”のサブネームがつく。
ソフトウエアの違いで機能や走りを差別化
デイトナシリーズは基本メカニズムを共用している。プラットフォームにステランティスの「STLAラージ」を初採用し、前後に400V仕様のEDM(モーター/インバーター/ギアボックスを一体化した3-in-1アーキテクチャーの駆動モジュール)を搭載した四輪駆動である点も共通だ。
ちなみにモーターのキャパシティは前後ともに最大250kW(335hp)で、搭載されるNCAリチウムイオンバッテリーの容量は100.5kWhである。サスペンション形式もすべて前マルチリンク/後インテグラルリンク。ただし、ショックアブソーバー/スプリング/ブレーキシステムなどのハードウエアはトリムに応じて差別化されている。
もっとも同じモーターを搭載しながら、2車のパフォーマンスはかなり異なる。R/Tのモーター最高出力は370kW/496hp、最大トルクは548Nm。スキャットパックは同500kW/670hp、同850Nmと発表されている。航続距離は、前者が510kmであり、後者は418kmとずいぶん短い。ちなみに0→60mph(約96.6km/h)加速も前者が4.7秒、後者はわずか3.3秒。同じモーターとバッテリーパックを使いながらこれだけの違いを実現できるのはEVならではである。(最高速はR/Tのほうが速いのかは謎だが……)。
![画像: モーターのスペックや駆動用バッテリーの容量などEVの基本メカニズムは全車共通。ソフトウエアの設定でモーター出力を切り替えている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/03/08/988ab67cf865b264ff81557b21be1b5ab044d956_xlarge.jpg)
モーターのスペックや駆動用バッテリーの容量などEVの基本メカニズムは全車共通。ソフトウエアの設定でモーター出力を切り替えている。
![画像: スポーツ性を強調した「スキャットパック」はモーター出力を高めた一方、航続距離は短くなる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/03/08/3613f5726a472cd6dcc7d6fe48c29534befdeda0_xlarge.jpg)
スポーツ性を強調した「スキャットパック」はモーター出力を高めた一方、航続距離は短くなる。