日台連合のEVスタートアップ、Lean Mobility社が手掛ける都市型小型EV「Lean3(リーンスリー)」。2025年半ばの発売に向けて、その開発が最終段階を迎えている。バイクの取り回し性と乗用車の安全性/快適性を併せ持つ新たなモビリティが、日本、台湾、そして欧州の街を走り始める日が近づいている。

小型EVスペシャリストが率いるスタートアップ

Lean Mobility社は、トヨタ自動車出身の谷中壯弘氏が2022年に立ち上げたLean Mobility 株式会社(愛知県)と Lean Mobility Inc.(台湾)から構成される日台連合のスタートアップだ。28億円にものぼる莫大な資金調達を実現するなどして、革新的な都市型小型EVの市場導入に向けて開発が加速している。

ちなみにCEOの谷中氏は、トヨタ自動車在職中にTOYOTA i-ROADの企画開発をはじめ、C+podやC+walkなどマイクロモビリティシリーズの製品開発を主導した都市型小型モビリティのスぺシャリストだ。つまり、スタートアップといえども、その知見、技術基盤は世界トップレベルにある。そして、2025年央に量産車の第一弾となる「Lean3(リーンスリー)」の発売を控え、その開発は大詰めを迎えている。

画像: CEOの谷中壯弘氏はトヨタ自動車在職中には、TOYOTA i-ROAD、C+podやC+walkなどの開発に携わった。

CEOの谷中壯弘氏はトヨタ自動車在職中には、TOYOTA i-ROAD、C+podやC+walkなどの開発に携わった。

画像: 開発の拠点は愛知県・豊田市。エンジニアだけでなく、モビリティ事業にまつわるスペシャリストが集う。

開発の拠点は愛知県・豊田市。エンジニアだけでなく、モビリティ事業にまつわるスペシャリストが集う。

ロボティクス技術と乗用車の走行制御技術を融合

「Lean3(リーンスリー)」とは、どんなモビリティなのか。ひと口に言えば、バイクの取り回し性、冗長性に乗用車の安全性と快適性を与えた乗り物だ。日本では原付ミニカーに区分されるため残念ながらひとり乗りになるが、海外では二人乗りが可能だ。

停車時の投影面積は乗用車の約1/3でありながら、全周型キャビンと空調を備え、最先端のセンシング&制御技術を搭載。都市生活者に利便性と安全かつ爽快な運転体験を提供する。

画像: 一般的な乗用車の1/3サイズ。海外仕様は2人乗車できるように設計されているが、日本では原付ミニカーに区分されるため1名乗車になる。

一般的な乗用車の1/3サイズ。海外仕様は2人乗車できるように設計されているが、日本では原付ミニカーに区分されるため1名乗車になる。

最大の特徴は、ロボティクス技術を導入したフロントステアの「アクティブ・リーン・システム」。Gジャイロセンサーによって常に車両姿勢を推定しつつ、コーナリング時には前輪の左右のサスペンションをダイナミックにコントロールし、車体を最適な角度に傾斜させることで、旋回時や荒れた路面でも安定した走行と爽快なコーナリングを実現する。

画像: Lean Mobility社は、EV化やシェアリングなどのサービスだけでは都市交通のスマート化は実現できないと考え、さらなる解決策としてハードウェアのダウンサイズを目指している。

Lean Mobility社は、EV化やシェアリングなどのサービスだけでは都市交通のスマート化は実現できないと考え、さらなる解決策としてハードウェアのダウンサイズを目指している。

コンパクトなキャビンにロボティクス技術と自動車の走行制御技術を高度に融合したLean Mobility社ならではの最新テクノロジーだ。都市部での移動効率を飛躍的に向上させることを目指しており、エコフレンドリーな移動手段として生活者に利便性と創造性をもたらすだろう。

2025年央から台湾を皮切りに日本や欧州でも発売

Lean Mobility社では、ユーザーが購入できる市販モデルとしての発売を計画している。上述のとおり日本では原付ミニカーに区分されるのでひとり乗りだが、それゆえに、車検不要、車庫証明不要、ヘルメット不要、そして税金や保険料などの維持費も低く抑えられるなどメリットは多い。

リーンスリーは、2025年央の台湾市場でのローンチを皮切りに、日本でも発売、欧州市場での展開も視野に入っており、5年目には5万台以上の生産を見込んでいるとのこと。そのころには、街の風景も変わるかも知れない。

画像: トレッドは850mmながら「アクティブ・リーン・システム」の搭載で安定した走行を実現する。

トレッドは850mmながら「アクティブ・リーン・システム」の搭載で安定した走行を実現する。

【主要諸元 リーン3 ※すべて開発車両の暫定数値】
・ボディサイズ:全長2470×全幅970×全高1570mm
・ホイールベース:1800mm
・トレッド:850mm
・最小回転半径:3.6m
・乗車定員:2名(カテゴリーL5/海外仕様)または1名(原付ミニカー/国内仕様)
・駆動方式:後輪インホイールモーター
・駆動バッテリー/容量:LFPリチウムイオン/8.1kWh
・充電時間:AC100V/約7時間 AC200V/約5時間
・航続距離:100km(WLTCクラス1)
・最高速度:80km/h(台湾)、60km/h(日本)

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