初の完全EVはクラス最高峰のハンドリングを目指す
2023年は世界のプレミアムブランドの中でもっとも力強い成長を記録したアルファロメオが、いよいよそのラインナップにEVを加える。4月10日のワールドプレミアに先駆け、今回はテスト風景の画像も公開。ベールに包まれていた車両のタイプも明らかにされ、それがステルヴィオ、トナーレに続くコンパクトSUVであることが公式に発表された。
テスト風景は、イタリアのバロッコにあるアルファロメオのテストコースで撮影されたもの。迷彩柄に覆われているものの、コンパクトなSUVシルエットは一目瞭然だ。現在、その開発は最終段階を迎えており、サスペンション仕様の最終チェックを中心にコースを走りこんでいる。
33ストラダーレを始め数々のアルファロメオのスポーツカーの乗り味を仕立ててきたドメニコ・バニャスコ氏をリーダーとするテストチームが行っており、ダイレクトかつ極めて精密なドライビングダイナミクスの達成を目標としており、アルファロメオらしい素早いコーナリングを実現する。
e-CMPを共用しつつアルファの個性を明確に主張する
現段階では、パワートレーンやアーキテクチャーに関しては正式発表されていないが、同じステランティスグループのプジョーe-2008、あるいはフィアット600e、Jeepアべンジャーなどと多くを共有していることは間違いなさそうだ。
プラットフォームはいわゆる「e-CMP」と呼ばれるもので、完全なEV以外にハイブリッドを含む内燃機関の搭載も可能なもの。搭載されるバッテリー容量は54kWhで、前輪駆動に加え全輪駆動モデルもラインナップされる見込みだ。Jeepアベンジャーやフィアット600eとスペック的にはほぼ同じになると思われる。
注目すべきは、やはりアルファロメオならではのダイナミック性能だろう。ミシュラン パイロットスポーツの225/40R20というスポーツタイヤが物語るように、スポーティでドライビングプレジャーにあふれたアルファロメオらしい味付けが施され、プジョーやJeepとは異なるクルマに仕上げられることは明らかだ。
4月10日のワールドプレミアを経て9月には量産を開始するが、追って1.2Lターボのマイルドハイブリッドがラインナップに加わる可能性も高そうである。