エアモビリティプラットフォームを開発する株式会社AirXは、「ジャパンモビリティショー(JMS) 2023」で、中国のパートナー企業が開発した空飛ぶクルマ「EH216-S」を公開した。

二人乗りドローンというべき「EH216-S」

今回公開された空飛ぶクルマ「EH216-S」は、中国を拠点にエアモビリティを開発しているパートナー企業「EHang」が開発したAAV(自律飛行型航空機)だ。2023年6月に沖縄県伊平屋島で行われた離島間の移動を目的とした実証実験で実際に使用された機体で、アジア初となる海上飛行での2地点間飛行に成功している。

また、2023年10月19日には無人電動VTOL機(垂直離着陸機)としては世界で初めてとなる型式証明を中国民用航空局で取得するなど、今一番勢いのあると言ってもいい空飛ぶクルマだ。

画像: パイロットレスの二人乗りなので、親しい人とのプライベート空間を実現できる。

パイロットレスの二人乗りなので、親しい人とのプライベート空間を実現できる。

特長

1.機動性、静音性
「EH216」は小型で操縦性が高く、機体サイズも小さいため、より多くの場所で離発着が可能。既存の航空機では難しい、短距離の移動に適している。また静音性が高い。

2.自律運航システム、安全性
「EH216」は複数のプロペラによる分散推進システムとあらかじめルートを設定した完全自動飛行、電源の二重化による完全バックアップ設計を採用し、ヒューマンエラーによる事故の危険性の回避を実現している。

また、すべての主要な飛行部品をフルバックアップ設計した「Fail Safe」システムを内蔵し、地上のコントロールパネルシステムとリアルタイムで4Gまたは5Gの高速ネットワーク接続をすることで、あらゆる緊急事態に安全な方法で対応することができるという。

3.コスト改善
パイロットレスを実現し、電気で駆動するため、環境面にも配慮されており、都市部での飛行にも適している。

開放感ある室内空間

実際に乗り込んでみると、外見から想像するよりも室内空間が広いことに驚いた。ヘリコプターとは異なり、完全自動操縦機能により計器類のパネルや操縦桿がないため、その分のスペースが確保されていることもあり、身長180cmでも、天井、足もと空間の両方ともかなりの余裕があった。

ちなみに、前述の緊急事態に備えた遠隔リアルタイム管理システムは頭上部分に搭載されている。

画像: 足を伸ばしてもかなり余裕があることがわかる。また、中央のタブレット画面には、機体情報や位置情報等がリアルタイム表示される

足を伸ばしてもかなり余裕があることがわかる。また、中央のタブレット画面には、機体情報や位置情報等がリアルタイム表示される

従来のヘリコプターでは難しかったパイロットレスによる「完全プライベート空間」を空の移動でも実現した。親しい人と一緒に他人を気にすることなく最短距離で移動できるモビリティサービスとしての需要は確実に増えていくだろうと予感させる展示だった。

EH216-S 主要諸元

航続距離:30km
最大離陸重量:220kg
最高速度:130km/h

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