2023年10月11日、StellantisジャパンはEV(電気自動車)のフィアット 500eをベースにしたスポーツモデル、「Abarth 500e(アバルト チンクエチェント イー)」を2023年10月28日から販売すると発表した。

フィアット500eの可愛らしさに加わったサソリ毒の刺激

2代目フィアット500(フィアット ヌオーヴァ チンクエチェント/FIAT NUOVA 500)をルーツとして、ライト類やボンネットフード、コックピットなどさまざまなデザイン的要素を取り入れたEVが、2022年4月に日本での販売がスタートしたフィアット500eだ。

ガソリンエンジンを搭載した従来のフィアット500よりモダンで、そして塊感あるシルエット、愛嬌あるフロントマスクなど変わらぬデザイン性で注目を集めた。またバッテリー/モーター駆動となったことで静粛性、そして上質感も高まっている。

このフィアット500eをベースにし、かねてより登場が待たれていたスポーツ仕様「アバルト500eハッチバック/アバルト500eカブリオレ」が2023年10月28日に日本で発売。これと同時に発売記念の限定モデル「アバルト500eスコーピオニッシマ」も200台用意される。

画像: ボディサイドには稲妻とサソリを組み合わせた専用のエンブレムが装着される。

ボディサイドには稲妻とサソリを組み合わせた専用のエンブレムが装着される。

専用のエクステリアデザインを採用するため、全長こそフィアット500eより45mm長くなっているものの、基本的にボディは同じで全長3675mm×全幅1675m×全高1520mmと、Bセグメントの3ドアハッチバックスタイルに変わりはない。搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量も同様に42kWhで、CHAdeMO急速充電にも標準装備するアダプターを介して対応する。

アバルトのエンブレムになっているサソリ、そのハサミをモチーフとして取り入れたフロントバンパーや18インチアルミホイールなど専用のエクステリアデザインを採用する。4本のスリットが入ったリップスポイラーはサソリの足を模しているというが、これは「4対の歩脚」をイメージしているのかもしれない。

インテリアにいてもヘッドレスト一体型スポーツシートやアルカンターラ/本革巻きステアリングホイール、スポーツペダルなど専用デザインを採用されるが、アバルト500eの大きな特徴となっているのはパワートレーンとサウンドジェネレーターだろう。

画像: ハンドル形状にもサソリの爪をモチーフとしたデザインが織り込まれる。(日本仕様は右ハンドル)

ハンドル形状にもサソリの爪をモチーフとしたデザインが織り込まれる。(日本仕様は右ハンドル)

走行中にCO2を排出せずに感じさせる、アバルトエンジンの魅力

前述のとおりバッテリーサイズは500eと同じだが、モーターパワーは27kW(37ps)/15Nm高められて114kW(155ps)/235Nmを発生する。これにより加速性能は1.4L直4ターボ(180ps/230Nm)を搭載するアバルト695と同等、もしくは凌ぐのだという。また駆動用バッテリーの床下配置により前後重量配分は57:43に改善(エンジン車の695は66:34)して、鋭いハンドリング性能と高速安定性を両立している。

こうした走行性能と合わせて、ドライバーのスポーツマインドをさらに掻き立ててくれるのがサウンドジェネレーターだ。一般的なクルマの開発において騒音や振動・・・NVH(Noise/Vibration/Harshnessの頭文字」)は抑えるように研鑽されてきたが、アバルトにおいてはより刺激的なNVHとなるよう研究されてきた。これはEVであっても同じだ。

アバルトの象徴ともいえる、ガソリンエンジン車用エキゾーストシステム「レコードモンツァ」のエンジン音や排気音を延べ6000時間に渡って研究・再現したのがサウンドジェネレーターである。アクセルペダルワークや車速に応じてエモーショナルなサウンドを音を奏で、乗る人をときめかせてくれる。

音の作り込みはベース車両のフィアット500eでも行われていたが、今回のアバルト500eではまた違ったキャラクターを感じさせてくれるはず。その一端はアバルトのホームページで聞くことができるので試してみてはどうだろうか。

画像: アバルト500eのドライブモード「e-モード」。サーキット仕様の「スコーピオントラック」も用意される。

アバルト500eのドライブモード「e-モード」。サーキット仕様の「スコーピオントラック」も用意される。

アバルト500e ラインナップ

ツーリズモ ハッチバック:615万円
ツーリズモ カブリオレ:645万円
スコーピオニッシマ ハッチバック:630万円(150台限定)
スコーピオニッシマ カブリオレ:660万円(50台限定)

アバルト500e ツーリズモ ハッチバック 主要諸元

●全長×全幅×全高:3675×1685×1520mm
●ホイールベース:2320mm
●車両重量:1360kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:114kW(155ps)/5000rpm
●最大トルク:235Nm/2000rpm
●バッテリー総電力量:42kWh
●WLTCモード航続距離:303km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:205/40R18
●車両価格:615万円

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