2023年10月3日、千葉県柏の葉キャンパス駅近くで日本初となる「公道での走行中給電実証実験」が開始された。この試みは東京大学、柏市、その他の協力機関が共同で行うもので、5年後の2028年の実用化を目指している。

安全性/耐久性なども問題もクリア

今回開発された送電コイルは、コイルと路面を一体化したプレキャストコイルが採用されており、道路に埋め込んで設置する関係上、道路としての十分な耐久性が求められる。

そのため、土木研究所で軸重11tの自動運転走行車による載荷走行が行われ、柏の葉実証の場合年間10万輪分の耐久性が求められるところを年間40万輪分の試験をクリアしており、自動車が通過する路面としての耐久性に問題ないことが確認されているそうだ。

画像: 耐久性・安全性のチェックも行われている

耐久性・安全性のチェックも行われている

また、送電コイルに付属するインバーターでコイル自体の異常を、ブレーカーで漏電を検知する安全管理システムにより、電気設備としての安全性も担保されているほか、発生する磁界による車載機器や人体の健康への影響についても、基準内に収まっていることを確認し、高周波設備として総務省から承認済みと、各要素について問題ないことが確認されたシステムとのことだ。

走行中充電技術でEV新時代が到来する

走行中給電は、給電する路面のコイルと受電する車載コイルの両方が揃って初めて成立する技術だ。今回の実証実験とは直接関係しないが、現在は後付けで搭載している受電コイル装置をインホイールモーターにあらかじめ搭載する技術の開発も進められているそうだ。

画像: 第3世代のインホイールモーターも開発中

第3世代のインホイールモーターも開発中

今後、給電と受電に関する技術が発展していくことにより充電問題が解決できれば、バッテリーに起因するEVのネガティブなポイントが解消することにつながる。エコと利便性を兼ね備えたEV社会を実現する技術革新に今後も要注目だ。

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