2輪を運ぶトランスポーターとしての4輪を、セダンなどの家族グルマとは別に用意することは、大多数のサラリーマンには難しかった時代、ホンダはセダンにも積める2輪車としてモンキーとダックスホンダを日本市場に投入したわけだ。そしてこれら先駆モデルから10年ちょっと後の1981年、ホンダは同じコンセプトを復活させている。それが1981年に登場した初代「シティ」と「モトコンポ」である。

FF2ボックスの車体に、1.2リッターエンジンを搭載した初代シティ。
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シティとともに発売された、ホンダ モトコンポ。2ストローク50cc単気筒を搭載する原付一種で、ハンドルやシートを収納することで、シティのリアラゲッジスペースに収納することができた。
電動化時代は6輪生活が楽しみやすい環境が整備される?
「ジャパンモビリティショー 2023」で世界初公開される「SUSTAINA-C Concept」と「Pocket Concept」は、過去のモンキーやダックスホンダのように車載を想定しているか、そしてシティとモトコンポのような「関係」にあるのかは、プレスリリースには明記されていない。
ただ、今回のブースのテーマである「Honda DREAM LOOP」をホンダの夢のループ(繰り返し)・・・と解釈すると、これらのモデルが電動時代のシティとモトコンポ・・・的な存在になっていると予想される。

SUSTAINA-C Conceptは、回収した使用済みアクリル樹脂を再利用して製作。資源の循環利用(リソースサーキュレーション)によって、地球環境の保護と自由な移動の喜びを将来にわたって両立することを目指して開発されている。
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電動2輪のPocket Conceptも、回収した使用済みアクリル樹脂を再利用して製作されている。ボード形状のフートレストは下向きに倒すことで、停車時のスタンドの役割を果たす。残念ながら現時点では、SUSTAINA-C Conceptに搭載されるのかは不明。答え合わせとなる公開日が来るのを楽しみに待ちたい。
www.autoby.jp4輪に2輪を積むことに関しては、液体の燃料を使わないというEVの特徴が大きなメリットになる。過去のホンダ製品であるモンキー、ダックスホンダ、モトコンポは、車載時に横倒しになったときも燃料系からガソリンが漏れないように、工夫した設計を与えることが求められた。
欧米で普及が進んでいる子供用電動ミニモトクロッサーユーザーの親たちの多くは、横倒しに車載することに対してナーバスになる必要がなく、キャビン内がガソリン臭で満たされることがないことを、EVならではの歓迎すべきこととしてあげている。

カワサキがアメリカ市場で販売している、子供向け電動バランスバイク「エレクトロード」。2輪EVの現状での大きな問題点である「航続距離」が、専用コースで使われるキッズ用モータースポーツバイクではあまりネガティブ要因にならないこともあって、多くの国内外2輪メーカー、そして新興のスタートアップメーカーが、近年この分野に魅力的な製品の投入合戦を繰り広げている。
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2021年、ドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2021」で公表された、「SoFlow コンセプト クレバー コミュート インスパイアド バイ BMW」は、BMW3シリーズの場合、縦長ラゲッジルームにリアバックレストを倒すことなく収まり、MINIの場合は横にして積載することが可能。BMWも電動時代に、6輪生活案を提案し始めた。
www.bmwgroup.com