この夏にラスベガスで開催された全米日産ディーラー年次総会だが、「Automotive News」によれば、この会合では今後の日産北米戦略とともに、これから投入される新型車に関する概略が明かされたという。その中でも注目されたのは、次世代リーフに関してだ。初めて具体的な言及があり、同時にごく短時間ではあるが実車(コンセプトモデル?)も公開されたこと。参加者はその大胆な変貌ぶりに衝撃を受けたという。(タイトル写真はコンセプトカー「日産チルアウト」)

「チルアウト」はやはり次期リーフのコンセプト

熱心なリーフおよび日産ファンならお気づきかもしれないが、実は今回アナウンスされた次世代リーフの断片的な情報は、2021年11月26日に日産が発表した長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」で公開されたコンセプトカー「チルアウト(NISSAN CHILL-OUT)」に極めて近い。

その直後、11月30日には、欧州日産が英国サンダーランド工場でチルアウトの市販モデルを生産開始することを発表している。今回の「Automotive News」の報道で、それが次世代リーフであることは確定したと言ってよいだろう。

チルアウトには、グローバルカーに採用されるフレキシブルなEVプラットフォーム「CMF-EV」が採用される。日産アリアのほか、ルノーメガーヌE-TECHエレクトリックや9月上旬の「IAAモビリティ 2023」で発表された新型セネックE-TECHエレクトリックにも採用されている。

ちなみに日産/ルノー/三菱自動車のアライアンスでは2022年1月27日に「Alliance 2030」を発表。今後、EV専用プラットフォームを5種類に絞って共用し、2025〜2030年までに3社合計35車種の新型EVを投入する計画だ。

画像: 「IAAモビリティ 2023」で世界初公開されたばかりのルノーセニック。日産アリアや次世代リーフとプラットフォームを共用する。

「IAAモビリティ 2023」で世界初公開されたばかりのルノーセニック。日産アリアや次世代リーフとプラットフォームを共用する。

【参考:EVプラットフォームは5つに集約】(「Alliance 2030」より要約)
●CMF-AEV:世界で最も手頃なプラットフォームで、新型ダチア「スプリング」のベース。
●軽EV専用プラットフォーム:日産サクラ、三菱eKワゴンEVに採用
●LCV(小型商用車)EV専用プラットフォーム:ルノー・カングーや日産タウンスター(e-NV200後継車)に採用しルノーが生産を担当。
●CMF-EV:グローバルでフレキシブル生産性を与えられたEVプラットフォーム。EV用のパワートレーンに求められるすべての要素を統合/最適化し、高性能な新型モーターや超薄型バッテリーを搭載する。2030年までに日産/ルノー/三菱自動車のアライアンス全体で15車種以上に採用され、最大で年間150万台が生産される。
●CMF-BEV:。世界でもっとも競争力のあるコンパクトEV用のプラットフォームであるCMF-BEVは、2024年に投入。最大400kmの航続距離と優れた空力性能を実現するCMF-BEVは、現行のルノー「ゾエ(ZOE)」比でコストを33%低減し、消費電力を10%以上改善。ルノー、アルピーヌ、日産の各ブランドで年間25万台生産予定。この中には、ルノーR5や、日産マイクラの後継となる新型コンパクトEVも含まれる。

この計画からわかるのは、今後、日本/北米/英国(中国も?)で生産されるCセグメントクラス以上のEVは、国内専用の軽EV専用プラットフォームを除き、CMF-EVに集約されるということだ。

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