北米でもEV生産を開始、OTAを活用して減価ゼロへ
「BEVに舵を切り、資源の集中先をBEVとすることで、モノづくりと価値づくりで世界の最先端を狙う」。新たな経営トップとなった大崎篤社長は、生産体制や開発プロセス、商品企画を一気に刷新してモノづくりに要する時間の半減を目指すと宣言した。
またEVの時代においても「安心と愉しさ」の提供に加えて、OTA(Over The Air)の活用による「減価ゼロ」(ソフトウエアの随時更新でいつでも最新の状態に)、EVならではの「シームレス&ストレスフリー」を新しい価値として提案して、ドライバーの期待に応えていくという。
ちなみにスバルは、2023年5月に日本国内のEV生産キャパシティを増強すると発表したばかり。2026年の稼働を目指す矢島工場では年間20万台のEVを生産、さらに2028年を目途に大泉工場にEV生産ラインを追加してこちらも年産20万台を目指すことを発表済みだ。その際に出されたコメントを読み返すとなかなか興味深い。
「昨年(2022年)から公表しております一連の生産体制再編は、 規制やマーケットの動向を注視しつつバッテリーEV、HEV、ガソリン車の生産比率を “柔軟”に変更できる生産体制を構築することが狙いとなります。一方で先行きが見えてきた段階では、一気に“拡張”させていくことも重要であり こういった『柔軟性と拡張性』の考え方を軸に、難しい時代を乗り切っていきたいと考えています」
つまり、その発表からわずか3カ月足らずで「先行が見えてきた〜」ということだ。この決断はスバルの将来を決める重大な意味を持つ。折しも7月15日には富士重工業株式会社として再興してから70周年を迎えた(2017年には株式会社SUBARUに社名変更)。スバルが大きなターニングポイントに差し掛かっているのは間違いない。