7月22〜23日に長野県白馬村で開催された「ジャパンEVラリー」に参加してきました。過去には9月や北アルプスが冠雪した11月に開催されたこともあり、筆者も何度か参加しています。今年は記念すべき10回目の大会ということもあり、そのインサイドレポートをお届けします。(タイトル写真:樋口 涼)

ボルボXC40 Rechargeで600キロ走った感想記

今回のラリーには、ボルボジャパンさんから同社の人気コンパクトEVであるXC40 Recharge(シングルモーター仕様。2モーター4WDモデルも別にあり)をお借りして参加しました。EVで長距離移動をするのはほぼ2年ぶりでしたが、都内から白馬村往復の612kmを3回の急速充電で走行できました。

画像: 白馬の水田風景の中のボルボXC40 Recharge。(写真:筆者)

白馬の水田風景の中のボルボXC40 Recharge。(写真:筆者)

バッテリー残97%で目黒区をスタートし、横浜の自宅経由で145km走行した後、中央高速双葉SAの90kWの充電器で30分間充電し、バッテリー残量58%→92%、走行可能レンジ310kmまで回復。293kmを走って白馬ジャンプ台のゴールに到着した時は、バッテリー残49%(レンジ190km)と十分な余裕がありました

画像: 中央高速双葉SA(下り)の90kWの急速充電器6口(合計出力200kW)。ボルボXC40 EVが2台並ぶ光景も。30分の間に最大4台が同時充電していた。

中央高速双葉SA(下り)の90kWの急速充電器6口(合計出力200kW)。ボルボXC40 EVが2台並ぶ光景も。30分の間に最大4台が同時充電していた。

翌日はパレードなどで白馬村内を少し走ったので、午後に白馬を出る時は電池残42%で、双葉SAまでギリギリ走行は可能でしたが、安全を見て大町の日産ディーラーで30分充電しました。午後6時に双葉SAに着いて夕食をとりながら30分充電し、バッテリーは34%→76%まで回復しました(充電し始めは73kWの出力で入っていました)。

そこから自宅までの134kmは、高速道路の渋滞を避けて談合坂SAのスマートICで一般道に降りた分、走行距離は増えましたが、バッテリー44%を残して横浜の自宅に帰着しました(白馬からは下りなので、白馬の宿で「目的地充電」していれば復路の充電は必要なかったはずです)。今回の総走行距離は612km, 電力消費率16.8kWh/100km(5.95km/kWh)でした。

ボルボXC40 Rechargeは、コンパクトで取り回しも容易ですし、北欧らしいシンプルで機能的な内外装のデザインも好感が持てます。EVは時速100キロを超えると目に見えて電費が落ちるので、スピードはあまり出しませんでしたが、最大出力170kW(231PS)のモーターは2,000kgの車体をストレスなく引っ張っていきます。談合坂スマートICから圏央道相模原ICまでの山間のアップダウンやワインディングでもアクセルを少しだけ踏めば加速し、下りでは回生するので電費は17kW/100km程でほとんど低下しませんでした。

また、ADASは高速道路の消えかかかったレーンの白線の箇所もしっかりとレーンキープしてくれ、安心感があります。

画像: ボルボXC40 Rechargeの運転席回り。シートやステアリングホイールは人工皮革を使っている。ステアリングボタンも数が少なく操作しやすい(右側が音量、左側がADAS関係)。

ボルボXC40 Rechargeの運転席回り。シートやステアリングホイールは人工皮革を使っている。ステアリングボタンも数が少なく操作しやすい(右側が音量、左側がADAS関係)。

インフォテイメントのOSはGoogleで、「オーケー、グーグル」と話しかけるとすぐに音声操作が起動し、ナビゲーションの目的地の設定や、エアコンの温度設定などがタッチスクリーンに触ることなくできるのは便利です。地図もグーグルマップを使用しており、GoogleのビークルOSを採用する自動車メーカーが増えているのも頷けます。

画像: 運転席のメーターは、ナビ画面が常に中央に大きく表示される。左は速度、右はパワー出力計(下に振れるときは回生)。

運転席のメーターは、ナビ画面が常に中央に大きく表示される。左は速度、右はパワー出力計(下に振れるときは回生)。

今回の試乗車は2023年モデルで、実は2024年モデルではFWDからRWDに変更になり、モーターの最大トルクも330Nmから418Nmに約27%もアップ。バッテリー容量も69kWhから73kWhに増強されて航続距離は502キロから590キロに18%も伸びています。今回の筆者くらいの電力消費で走行すれば、満充電で400km以上走行できるでしょうから、長野往復でも一回の充電で済む快適な旅が出来そうです。(了)

●著者プロフィール
丸田 靖生(まるた やすお)1960年山口県生まれ。京都大学卒業後、東洋工業(現マツダ)入社。海外広報課、北米マツダ(デトロイト事務所)駐在をへて、1996年に日本ゼネラルモーターズに転じ、サターンやオペルの広報・マーケティングに携わる。2004年から2021年まで、フォルクスワーゲングループジャパン、アウディジャパンの広報責任者を歴任。現在、広報・コミュニケーションコンサルタントとして活動中。著書に「広報の極意−混迷の時代にこそ広報が活躍できる」(2022年 ヴイツーソリューション)がある。

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