NEXCO各社から共同で、2023年夏の渋滞予測が発表された。それによると、今年の夏の高速道路の渋滞のピークは、下りが8月11日(金曜・祝日)〜13日(日曜)の3日間。上りは13日(日曜)〜15日(火曜)の3日間となっている。8月9日〜16日の8日間では、10km以上の渋滞が438回も発生するというのだ。これは、昨年の実績となる193回の2倍以上の数値だ。

とくに激しいのが8月11日と13日に集中

8月11日の東北自動車道(下り)の矢板北PA付近、東名高速(下り)の秦野中井IC付近、中央自動車道(下り)の相模湖ICで、それぞれ45kmもの渋滞が発生するという。また、同日の名神高速(下り)の旧山科バス停付近と、名神高速(上り)の大津IC付近は、30kmの渋滞の予測だ。8月13日は、関越自動車道(上り)の高坂SA付近が40km、東名高速(上り)の綾瀬スマートIC付近で45kmとなる。また、30km以上の渋滞はさらに多く、8月10日から15日にかけて、40km以上もあわせて、23回の渋滞予測が発表されている。これも昨年の実績10回の2倍を超えている。

画像1: とくに激しいのが8月11日と13日に集中
画像2: とくに激しいのが8月11日と13日に集中

ちなみにNEXCOでは、とくにひどい渋滞6カ所に関して、渋滞を回避するための時間帯も発表している。それは以下のようだ。

●8月11日 東北自動車道(下り)矢板北PA 
「栃木都賀JCTを朝3時以前、夜20時以降に通過するのがおすすめ」

●8月11日 中央道(下り)相模湖IC
「高井戸ICを朝4時以前、夕方16時以降に通過するのがおすすめ」

●8月11日 名神高速道路(下り)旧山科バス停
「竜王ICを朝6時以前、夜22時以降に通過するのがおすすめ」

●8月13日 関越自動車道(上り)高坂SA
「藤岡JCTを午後14時以前、夜23時以降に通過するのがおすすめ」

●8月13日 東名高速(上り)綾瀬スマートIC
「足柄スマートICを正午12時以前、翌日深夜2時以降に通過するのがおすすめ」

●8月11日 名神高速(上り)大津IC
「茨木ICを朝6時以前、夕方16時以降に通過するのがおすすめ」

予測は「渋滞予報士」によるものだった

NEXCO各社は、こうした交通集中による渋滞情報を、ゴールデンウイークやお盆、年末年始が近づくと発表している。天気予報ならぬ、渋滞の予報だ。

さて、その渋滞の予報を行うのは、NEXCOに所属する「渋滞予報士」たちだ。もともとNEXCO各社には、渋滞予測を行う部署があったが、「できるだけ、たくさんの人に関心を持ってもらいたい」と、予測を行う人として「渋滞予報士」が選出されるようになった。知られていない部署の誰かというよりも、ちゃんと顔の見える人が情報を発信している方が、見ている人も親しみやすいというのは間違いないだろう。

今年のGWに関してNEXCO日本では、北海道や東北、新潟、関東などのエリアごとに、各地の渋滞予報士が登場して、渋滞の予測と解説を行う動画を公開していた。

画像: 予測は「渋滞予報士」によるものだった

ちなみに渋滞の予測は、過去3年間の同じ時期の渋滞データを重ね合わせて行われる。具体的に言えば、曜日の並びの同じ年のデータ、直近のデータ、事故などが発生していない比較的に新しいデータという3つを重ね合わせるのだ。

ちなみに、「渋滞予報」を聞いて、渋滞を回避する人が増えたことで、予報が外れてしまう可能性もある。予報士にとっても「予報を聞いて渋滞が減った」のは良いことになるため、「予報が外れる」のは一概に悪いことではないらしい。

「渋滞予報士」の仕事は多岐にわたる

また、予報士の仕事は大きく「渋滞を減らす」ことになるため、渋滞が発生しないような走り方や注意点を発信するのも重要な仕事になる。たとえば渋滞の主な理由となるのが「交通集中」だ。これは上り坂やサグ(下り坂から上り坂に転じる凹部)、インターチェンジの合流部で発生するもの。無意識に走行速度が低下しやすくなる場所であり、速度が落ちたクルマの後ろを走るクルマは、車間距離詰まってブレーキを踏んでしまう。すると、さらに、その後ろのクルマが次々とブレーキを踏んで、渋滞が発生してしまう。そうした渋滞発生の仕組みを解説していくのも、渋滞予報士の仕事となる。

さらに、渋滞が発生しにくくなるような道路の設備の改良を考えるのも渋滞予報士の仕事だ。渋滞を回避するルートを知らせるポスターの作成にはじまり、渋滞の発生しやすい場所に走行車線を増加(付加車線)するなどが行われてきた。

とにかく夏やゴールデンウイークなど、渋滞しそうな時期のドライブは、渋滞予報をチェックしてから計画を立てるのがおすすめだ。出かける前に天気予報を見るように、ドライブの前には渋滞予報をお忘れなく。

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