世界的な観光地として人気の沖縄県。実は世界有数のスマートモビリティ先進自治体であり、EVの充電環境も充実している(147カ所:2023年4月時点)。EVのレンタカーをやたらと目にするのも、沖縄県ならでは。いわゆる「観光型MaaS」の導入も着々と進行中だ。本稿では新しい移動の体験に取り組む北谷(ちゃたん)町の“今”にスポットライトを当ててみた。(タイトル写真はヤマハ発動機公式HPより)

「美浜シャトルカート」で有名観光ポイントを巡る小旅行

沖縄県では各市町村単位でも新たな時代の観光への取り組みが加速している。たとえば、沖縄本島のほぼ中央に位置する北谷(ちゃたん)町は、地の利を生かした観光の拠点として、さまざまなモビリティと連携する交通サービスを提供する「北谷MaaS」が始まったところだ。

同地は夕陽スポットとして有名な3つのビーチと、アメリカ西海岸を思わせる街並みのリゾートタウン「美浜アメリカンビレッジ」が有名だが、観光客に向けた新たなモビリティの創造に取り組んでいる。

そんな北谷町で、次世代交通サービスの構築に取り組んでいるのがチャタモビ合同会社だ。同社が運営する新しいモビリティサービスのいくつかを紹介しよう。

新サービス導入のきっかけは、2021年に那覇空港と北谷を最短38分で結ぶ直行シャトルバス「北谷エアポートエクスプレス」が開通したこと。従来、那覇空港から北谷町内への移動はレンタカーやタクシーを使うのが一般的だったが、シャトルバスの運行で北谷駅までハンドルを握らないで移動することが可能になった。とは言え、そこから先の目的地までは、やはり従来と同じ方法で移動するしかない。

そこで導入されたのが「美浜シャトルカート」。海沿いルートと呼ばれる北谷町の海岸通りでは、すでに自動運転レベル3相当の機能を有する「美浜シャトルカート」の定期運行が始まっている。美浜エリア内の主要なホテルや商業施設、ビーチを無料で回遊できるとあって開始以来、大人気となっている。乗車定員は最大5名。運行間隔もおよそ15分と、効率良く観光スポットを回ることができる。

画像: 約15分間隔で海沿いルートを走る解放感いっぱいの自動運転車が「美浜シャトルカート」。

約15分間隔で海沿いルートを走る解放感いっぱいの自動運転車が「美浜シャトルカート」。

大小のホテルが建ち並ぶ北谷は、町内の南北5km圏内に、うみんちゅワーフやアメリカンビレッジ等の観光スポット、さらにはアラハビーチをはじめとする美しい砂浜が点在している。これらの観光スポットを効率良く巡回するのはまさに新しい観光スタイルである。

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