ツダが新開発のロータリーエンジンを発電専用に使う独自のプラグインハイブリッドシステムを開発。その搭載車である「MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV(以下、「MX-30 R-EV」)」は2023年1月13日ブリュッセルモーターショーで初公開されたが、その欧州仕様車の生産が広島県の宇品第一工場で6月22日から始まった。他社のPHEVとは異なるマツダならではの外部充電式ハイブリッドシステムの仕組みとはどんなものなのか?(タイトル写真は新開発ロータリーエンジン「8C型」のローター)

11年ぶりに復活したロータリーエンジンは発電専用

日常使いはEV、遠距離ドライブでも途中の充電は最小限で済むのがプラグインハイブリッド車(以下、PHEV)のいいところ。外部給電が可能なので、通勤や買い物など近場での利用が多いのならば、自宅などの充電だけでほぼエンジンを稼働しないで運行できる。

遠距離ドライブでも、電池残量が少なくなればエンジンが始動して発電と駆動アシストを行ってくれるので、ピュアEVのように充電スポットを探して右往左往する必要もない。一般的なPHEVのメリットはだいたいこんな感じだ。

画像: 2023年1月に開催されたブリュッセルモーターショーで世界初公開された「MX-30 R-EV」。

2023年1月に開催されたブリュッセルモーターショーで世界初公開された「MX-30 R-EV」。

「MX-30 R-EV」の最大の特徴は、新開発のロータリーエンジンを搭載しているところ。エンジンは駆動系と接続しておらず完全に発電専用だ。いわゆるシリーズ式ハイブリッドである。他社のシリーズハイブリッド車が搭載する発電用エンジンはレシプロ式だ。ピストンの上下動運動をいったんクランクシャフトを介して円運動に変換して発電するので、どうしても振動が発生する。

対してロータリーエンジンはそもそも回転運動で動力を発生する仕組みなので振動は極めて少ない。しかも全高、全幅ともにコンパクトなので、高出力モーター、ジェネレーター、減速機と同軸上に統合配置することが可能になる。「MX-30 R-EV」に搭載されるユニットの全幅は840mmにも満たない。

画像: 8C型ロータリーエンジン、ジェネレーターが同軸上に配置され、ユニットの全幅は840mm未満とコンパクトにまとめられている。

8C型ロータリーエンジン、ジェネレーターが同軸上に配置され、ユニットの全幅は840mm未満とコンパクトにまとめられている。

RX-8の生産終了以来、およそ11年ぶりに生産が始まった新型ロータリーエンジンは「8C」型と名付けられた。RX-7やRX-8に搭載されていた13B型は654cc×2ローターだったが、8C型は830ccのシングルローター。ちなみにそのスペック(欧州発表値)は、
・最高出力:55kW(75ps)/4500rpm
・最大トルク:117Nm/4000rpm
・圧縮比:11.9
・ローター半径:120mm
・ローター幅:76mm
と発表されている。ハウジングはアルミ製で、鋳鉄製だった13B型に比べ排気量は大きくなったもののエンジン単体では15kgの軽量化を実現している。燃料タンクは50Lで既発売の「MX-30(マイルドハイブリッド)」とほぼ同じだ。

画像: 8C型ロータリーエンジン。おむすび型のローターを囲むハウジングはアルミニウム製に。

8C型ロータリーエンジン。おむすび型のローターを囲むハウジングはアルミニウム製に。

この8C型ロータリーエンジンとジェネレーター(発電機)によって作られた電気は、17.8kWhのリチウムイオンバッテリーに蓄えられ、125kW/170psの高出力と最大260Nmのトルクを発生する強力なモーターを駆動する。ちなみに、フルEVである「MX-30 EV MODEL」に搭載される駆動用モーターの最高出力は107kW/145ps、最大トルクは270Nm。0→62mph(100km/h)の加速タイムは「MX-30 EV MODEL」が9.7秒、「MX-30 R-EV」が9.1秒とややパワフルな仕立てとなっている。

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