国内受注がしばらく停止されていたテスラのフラッグシップセダン「モデルS」と同車をベースにしたSUV「モデルX」。2023年5月12日から新規受注の受付を再開した。納車は最短で8月から始まる見込みだ。全車左ハンドル仕様となる。(タイトル写真はテスラ モデルSのコクピット)

ハイパフォーマン版のPlaidがついに日本でも発売

新たな受注が始まるのは、2021年1月に発表されたフェイスリフトバージョンだ。テスラがフェイスリフトを行うのは、わずかな仕様変更を除けばハードウエアやアーキテクチャの更新が必要とされる場合で、機能面は基本的にOTAで無償または有償オプションとして最新のものにアップデートされる。

つまり今回受注が再開されたモデルS、モデルXともに現在のテスラが提供する最新のOSやソフトが実装されている。

画像: テスラ モデルS。前後バンパーのデザイン変更で空力性能がさらに向上。

テスラ モデルS。前後バンパーのデザイン変更で空力性能がさらに向上。

グレード構成はシンプルだ。モデルS、モデルXともに、前後モーターで駆動する標準車(従来のロングレンジに相当)と、3モーター駆動(後輪左右にそれぞれモーターを配置しトルクベクタリングも行う)による圧倒的な動力/運動性能を誇る高性能版「Plaid(プラッド)」の2グレード構成となる。

新設計のバッテリーモジュールが採用され、一充電あたりの航続距離が延長されたほか、充電スピードの短縮(テスラの充電ステーション、V3スーパーチャージャーの250kW出力により、15分で最大275km走行分まで充電可能)、パフォーマンスを犠牲にすることなくサーキットでの連続走行を可能にするなど耐久性の向上も実現している。

画像: テスラ モデルS。新設計のバッテリーモジュールが採用された。

テスラ モデルS。新設計のバッテリーモジュールが採用された。

公表された新型モデルSの基本スペックを以下のとおり。

●モデルS(デュアルモーターAWD)
システム最大出力:670hp
0→100km/h加速:3.2秒
航続距離(WLTP):634km
最高速:250km/h
車両重量:2100kg

●モデルSプラッド(トライモーターAWD)
システム最大出力:1020hp
0→100km/h加速:2.1秒 ※1
航続距離(WLTPモード):600km
最高速:322km/h ※2
車両重量:2190kg
※1:ロールアウトを差し引いた値
※2:現在未販売の有償ハードウエアアップグレードを実施した場合

ちなみにモデルSプラッドは、世界中のハイパフォーマンスメーカーがラップタイム短縮でしのぎを削るドイツのニュルブルクリンクサーキット北コース(全長20.832km)で、2021年9月12日に当時の量産EV最速となる7分35秒579を記録している。

このタイムは、2022年8月にポルシェのEVスポーツカー「タイカン・ターボS」が7分33秒350を記録するまで破られなかった。また、0→100km/h加速タイムでは、内燃機関搭載車も含め量産車最速の座にある(一部の限定生産車や未発売モデルは除く:2023年5月現在)。

画像: テスラ モデルX。ボディ同色のバンパーでスポーティイメージを強調。

テスラ モデルX。ボディ同色のバンパーでスポーティイメージを強調。

モデルXの主要スペックは以下のとおり。
●モデルX(デュアルモーターAWD)
システム最大出力:670hp
0→100km/h加速:3.9秒
航続距離(WLTP):576km
最高速:250km/h
車両重量:2390kg

●モデルXプラッド(トライモーターAWD)
システム最大出力:1020hp
0→100km/h加速:2.6秒 ※3
航続距離(WLTPモード):543km
最高速:262km/h
車両重量:2470kg
※3:ロールアウトを差し引いた値

ヨークステアリングの採用を始め随所をアップデート

一見、従来型と比べるとエクステリアの変更は控えめだが、モデルS、モデルXともに前後のバンパー形状が変更されて空力性能をさらに向上している。

「地球上でもっとも低い空気抵抗係数」を謳い、モデルSのCd値は0.28、モデルXは同0.24というトップレベルの数値を達成している。また、以前に採用されてグリル周りやドア/ウインドーまわりのクロームメッキモール類が排され、見た目の品質感も向上している。

インテリアも大幅に手が加えられた。まず目を惹くのが、「ヨークステアリング」と名付けられて飛行機の操縦棹のような斬新な形状のハンドルだ。

コラム部から生えたレバーは見当たらず、ウインカーはスイッチボタンを使って操作する。目の前に広がるのは、まさに航空機の操縦席の世界だ。完全自動運転の時代を見据えたデザインとも言えるだろう。

画像: テスラ モデルS。17インチのタッチスクリーンが目を引く。

テスラ モデルS。17インチのタッチスクリーンが目を引く。

17インチに拡大されたタッチスクリーンは、従来型のような垂直方向ではなく水平方向にレイアウトされ、左右方向に電動でチルトする機構も搭載した。

モニターには2200×1300ピクセルの解像度でおよそ1677万色を表示する24ビットカラー(=True Color)を採用するなど、960Wオーディオシステムと相まって映画館にいるようかのような映像を楽しむことができる。

後席も新設計され、レッグスペースやヘッドルームにさらなる余裕が生まれた。後席インフォテインメントスクリーン、後席アームレストにはワイヤレス充電機能も新設されている。

ラグジュアリーなサルーン&ファミリーカーであり、かつスーパースポーツカーを超えるパフォーマンスを発揮する類まれなEVが、新型モデルSと新型モデルXだ。日本国内の価格は5月15日現在、以下のとおり。

■日本仕様のラインナップと車両価格(消費税込み)
・モデルS(デュアルモーターAWD) 1296万9000円
・モデルSプラッド(トライモーターAWD) 1596万9000円
・モデルX(デュアルモーターAWD) 1446万9000円
・モデルXプラッド(トライモーターAWD) 1666万9900円

This article is a sponsored article by
''.