ELEMOs4の三代目「リボーン(REBORN)」 (34万8000円)
今回は発売された順に試乗しました。
ELEMOs4(エレモーズフォー)は創業時から販売されているシリーズで、3モデルの中では唯一シートに跨って乗るタイプ。露出したパイプフレームや丸目ヘッドライトなども個性的で、スタイリッシュなデザインにこだわって開発されました。
同シリーズ最新モデルの「リボーン」は改良が重ねられた3世代目で、定格出力300Wのインホイールモーターをリアの左右輪に搭載した合計600W仕様。国土交通省の保安基準検査をクリアしたことを示す性能等確認済シールが貼られています。
シート下は約25Lのトランクスペースで、サイドパネルがロック付きの扉になっています。トランクの底部に収納されている20Ah 48V 重量約5kgのバッテリーは、取り外して充電、車体の前側にある充電口にプラグイン充電も可能な2WAY仕様です。

プラグイン充電は車体前方のソケットにプラグを差し込んで行います。
小柄な車体ですが、跨るとシートが前後に長く、ステップボードも同様に長いため、見た目ほど窮屈さはありません。シート高は620mmで身長172cmの私でも両足が地面にべったりと着くので、小柄な人でも足つき性はかなり良いでしょう。
モーターで駆動する電動モビリティはシステムを起動しても音がしないため、誤操作防止のために必ず跨った後の走行直前に電源を入れます。まずはハンドルにある電源ボタンを押し、メーターパネルにカードキーをタッチすると起動。メーターパネルには速度や走行モード、バッテリー残量やトリップメーターが大きく表示され、とても見やすい仕様です。
左手元のボタンで最高速20km/hの車道走行モードを選択して運転スタート! 滑らかな走り出し、初速で発生する大きなトルク、スロットル操作に素直に反応する駆動特性はEVならでは。オートバイの操作と同様のグリップ式スロットルを採用しているため、道路状況や速度域にあわせて、速度を微調整しやすいことも高評価ポイントです。
ブレーキは自転車やスクーターと同じく左右のレバーで操作し、前輪にディスクブレーキ、後輪にドラムブレーキが採用されています。跨って乗ること、そしてアップハンドルで操作する四輪車特有の挙動は、まるでバギーに乗っているような感覚でとても楽しい走りでした。とは言っても、最高速は電動ママチャリにも追い抜かれる20km/hですけどね・・・。

跨って乗るため、バギーに乗っているような爽快感を味わえます。
一番意外だったのは、想像していたよりも走行安定性が良いこと。四輪の小型モビリティの中には、直進時にフラフラしたり、コーナリングでバランスを崩して転倒しやすかったりする車両もあるのですが、このモデルは直進でもコーナリングでも安定しています。ELEMOsユーザーもこの特長を高評価しているのではないでしょうか。
さらにリボーンは、先代まで10インチだったタイヤを11インチに変更したことで、直進時の走行性能や段差の乗り越え、路面からの振動吸収性が向上しています。

シート高は620mmなので、身長が低めな人でも足つき性は良好でしょう。
また四輪小型モビリティは、片側のタイヤが段差に乗り上げることで倒れてしまう車両も有りますが、リボーンはこんなに斜めに傾いたら乗車姿勢を維持するのが大変・・・という、かなりの段差に乗り上げて走行しても転倒しそうな気配はありませんでした。広めのトレッド幅や、重量物であるバッテリーを車体底面に搭載する設計が功を奏していると思います。
ただし、パイロンスラロームのようなタイトターンを繰り返すシーンでは、コーナー外側のタイヤに荷重が掛かっている時にスロットルをパン!と開けて急ハンドルを切ると、片輪が浮くことがありました。まあ、通常の走行ではこんなシーンはありませんけどね。
坂道もグイグイと力強く登り、理論値では17~25%の勾配は登るそうで、メーカー公式HPにおいて体重90kgの人が乗車した状態で勾配15%(8.5度)の激坂を走行する動画が公開されています。

背もたれのおかげで、坂道の登坂時もホールド感があります。
「6km/hモード」時の走行安定性はさすがです! 電動キックボードや二輪車ではバランスを維持するのが難しい「早歩きと同じくらいの速度」ではありますが、四輪のリボーンはバランスを崩すことなく淡々と走ります。
またユーザーの声を反映した小さなバックレスト(背もたれ)が、このリボーンから標準装備されました。とくに左右に曲がる時や登り坂などで身体を安定させやすく、ホールドされている安心感がありました。
ほかにも機能が充実しています。後退(リバース)機能もあって駐輪場での出し入れや狭い場所での切り返しも楽々。標準装備のスマホホルダーにはAタイプ、5AのUSBポートがあり、スマホ充電も可能。なにより停車時に自立するので、信号待ちで足を路面に付けなくても良い上に、約6時間の充電で40~50km走るので困ることはないでしょう。
ただし、ブレーキをかけるとモーターからのパワーが遮断する、特定小型原付に多い仕様をリボーンも採用するため、登り坂での坂道発進にコツが必要です。ブレーキレバーを緩めていくと後退しだしますが、直ぐにスロットルを開けるのがコツ。慣れたら簡単ですが、初めての人は練習が必要かもしれません(ほかの2モデルも同様)。
それと、シート下のトランクは25Lですからそこそこの広さがあるのですが、荷物の出し入れには腰をかがめる必要があり、高齢の方は不便を感じる人もいるのでは?と思います。

バックパックをトランクスペースに入れることができます。
ELEMOsのCQO最高品質責任者の上野将さん曰く、
「そうなんです。ELEMOs4はもともと高齢者用に作ったモデルではないのですが、逆に“いかにも高齢者向けという印象がなくて良い”と感じてご購入いただく方もいらっしゃるのが、とても新鮮でした。一方で、乗るときに足を上げるのが大変、腰痛があって跨ぎにくい、荷物を出し入れしにくい、もっとたくさんの荷物を積みたい、買い物だけでなく畑作業でも使いたいなど、さまざまなお声もいただきました。こうした声を反映して作ったのが、次の試乗車『エレカーゴ』なんです!」とのこと。

