2026年3月5日、岩谷技研は、JAXAの宇宙戦略基金事業の技術テーマ「有人宇宙輸送システムにおける安全確保の基盤技術」において「有人宇宙船汎用与圧キャビンシステム」が採択されたことを発表した。同社は、有人宇宙船の基盤技術開発に参入し、日本発の有人宇宙船の実現と事業化を目指すことになる。
成層圏におけるガス気球の技術を応用し、有人宇宙船用の与圧キャビン開発に協力
岩谷技研は、北海道江別市にある航空スタートアップで、高高度ガス気球による成層圏遊覧飛行の実用化に向けてガス気球、旅行用与圧キャビンなどの開発を進めている。この気球では、成層圏(高度10〜50km)まで上昇し、宇宙空間(一般的に高度100km以上)に到達しないものの、地球の丸さや宇宙の暗さといった宇宙っぽい体験を低コストで楽しめるサービスが提供される見込みだ。
今回は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した宇宙戦略基金事業(第二期)の技術開発テーマ「有人宇宙輸送システムにおける安全確保の基盤技術」において、同社が提案した『有人宇宙船汎用与圧キャビンシステム』が採択され、これまでの成層圏における研究・開発を通じて培った有人与圧キャビン技術を基盤に、サブオービタル機への搭載を想定したロケット用有人宇宙船の基盤技術開発に新たに参入することになったという。

成層圏でのガス気球内は気温・気圧が保たれるため宇宙服などは不要。今後開発される有人宇宙船用のキャビン設計ではどうなるだろうか。
このプロジェクトでは、岩谷技研を代表機関として、新日本空調、日本航空、三菱重工業の3社が連携機関として参加し、与圧キャビン構造、クルーシステム、生命維持・環境制御機能(ECLSS)など、有人宇宙輸送に不可欠な要素技術を統合的に開発する計画だ。各社が有する航空・宇宙・環境制御分野の知見と技術を融合させることで、日本発の有人宇宙船の実現と将来的な事業化を目指すとしている。
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