2025年12月5日、「Fry to Fly Project」が東京都とともに取り組んできた廃食用油回収促進プロジェクト「Tokyo Fry to Fly Project~油で空飛ぶ大作戦~」の活動報告と今後の展望が公開された。これまでに都内で約124万Lの廃食用油を回収して約99万LのSAFを製造し、CO2排出量を約2700トン削減できたという。

廃食用油「Fry」で空を飛ぶ「Fly」取り組み

「Fry to Fly Project」(事務局:日揮ホールディングス)は、家庭や店舗で使用済みとなった食用油を原料とした持続可能な航空燃料、SAF(Sustainable Aviation Fuel)を活用して航空機が飛ぶ社会の実現を目指す取り組みだ。2025年10月末時点で277の企業や自治体、団体が参加している。

同プロジェクトの参加社である日揮ホールディングスとコスモ石油、レボインターナショナルおよび東京都は、2023年度より連携協定を締結し、「Tokyo Fry to Fly Project〜油で空飛ぶ大作戦〜」と題した東京都内の廃食用油回収促進活動を展開。

都内各地に廃食用油回収ボックスを設置し、家庭で使用済みの食用油を容器に詰めて持参することで、簡単に回収できる仕組みを構築している。

画像: 都内各所に廃食用油回収ボックスを設置。

都内各所に廃食用油回収ボックスを設置。

2024年10月に始まった取り組みの成果として、都内で回収された家庭系・事業系の廃食用油は約124万Lに達し、これを原料にして約99万LのSAFが製造された。これにより削減されたCO2排出量は約2700トンにのぼるという。

また、東京2025世界陸上の開催を契機に2025年5月2日から10月31日まで実施された「家庭の油 回収キャンペーン」では、自治体の協力を得て約1万1300Lが回収されている。

こうした成果は、都民それぞれの行動が未来のエネルギーへと確実に変わっていくことを示すものであり、「資源循環、脱炭素を自分事にする」というプロジェクトの目標を大きく前進させる結果となった。

「Fry to Fly Project」は今後も市民、企業、行政が一体となり、資源循環の輪をさらに広げるとともに、持続可能な航空燃料(SAF)の普及を推進し、低炭素社会の実現と持続可能な都市づくりに貢献していく方針だ。

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