気動車へのバイオディーゼル燃料普及のきっかけとなるか
JR西日本グループは2021年、環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」を策定し、2050年までにグループ全体のCO₂排出量を実質ゼロにすることを目標として取り組みを進めている。その一環として、化石燃料である軽油を使用して走行するディーゼル車両のカーボンニュートラルを目指し、鉄道総合技術研究所やJR7社と共同で、次世代バイオディーゼル燃料導入に向けた実証実験が実施された。

気動車営業列車への給油のようす。
2022年度はエンジン単体での性能試験を、2023年度は山陰本線で夏期・通常期・冬期の3シーズンにわたる走行試験を、そして2024年度には岩徳線で一部の営業列車において、約5か月間にわたり次世代バイオディーゼル燃料を100%使用した長期走行試験が行われた。
その結果、次世代バイオディーゼル燃料を長期間使用してもエンジンへの影響がないことが確認されたことを踏まえ、2025年11月11日から岡山エリアにて、営業列車に正式導入されることになったという経緯がある。
次世代バイオディーゼル燃料の供給はコスモ石油マーケティングが担い、全気動車運転用燃料の約10%に相当する年間約2100kL規模で導入され、年間約5500トンのCO₂排出量削減(一般家庭約2,000世帯分相当)効果が見込まれている。また、導入車両にはこの取り組みを示すシールが貼り付けられ、ひと目で対象車両かわかるようになっているという。

導入車両にはそれを示すシールが貼り付けられる。
JR西日本では、今後も環境長期目標達成に向けた様々な取り組みを進めていく方針だ。
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