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【解説記事】自動運転のレベル分け基準は?
高速道路での自動運転に加えて、IC前の物流施設内での自動運転も実現へ
T2は、トラックドライバー不足の深刻化などの物流危機に対し、ドライバーを必要としない自動運転レベル4によるトラックでの幹線輸送を目指して技術開発を行っているスタートアップだ。2025年7月からは、自動運転レベル2(その中でもより高度でハンズオフ可能なシステム、いわゆる「レベル2+」や「レベル2.5」などと呼ばれるもの)を搭載したトラックを用いて商用運行を行っており、高速道路におけるレベル2での自動運転ノウハウはすでに実用できる水準にあるようだ。

高速道路を走行するT2の自動運転トラック。
一方で、三菱地所は次世代のモビリティを受入できる、高速道路IC直結「次世代基幹物流施設」の開発計画を進めている。T2の自動運転トラックが同施設内を走行できるようになれば、荷物の積み下ろしを行う「バース」から、高速道路を経て別施設の「バース」までの間の無人輸送が実現するため、T2と共同で建物内での自動運転トラックの技術実証を行うことになった。

三菱地所が計画中の次世代基幹物流施設の予想図。
T2の自動運転トラックでは、車両の自己位置を推定するためにGNSS(全球測位衛星システム)の情報を用いており、これまでは高速道路上のみで自動運転トラックが運行されてきた。
しかし、次世代基幹物流施設の建物内は測位衛星からの電波受信が困難であるため、今回の実証においては、物流施設内の高精度3次元データと、T2のトラックに搭載したLiDARから得た情報を照合させて、建物内走行に必要な自己位置の推定が技術的に可能かを確かめる方式が採用されている。

実証中のレベル2自動運転のようす。
第1段階として2025年7月~9月にT2の自動運転レベル2トラックを用いた同一フロア上の直進走行を、第2段階として2026年より高速道路のランプウェイを含めた複数フロアをまたがる走行、およびバースでの発着をできるか、技術検証が進められる予定だという。
トラック輸送における自動運転が、道路上だけでなく物流施設内でも実現すれば、大幅な省人化により持続可能な物流が実現し、効率的な輸配送による環境負荷低減にもつながることになる。ドライバー不足問題と環境課題の両方を解決する一つの方法として、自動運転技術はますます注目を集めることになるはずだ。
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