2025年8月18日、北海道スペースポートの運営企業スペースコタンは米国ロケット企業ファイアフライと基本合意書を締結した。北海道スペースポートからファイアフライの小型ロケット「アルファ」を打ち上げるべく、実現性の検討が進められるという。

過去には台湾企業のロケットの打ち上げも。北海道がアジアの宇宙港の中核になるかもしれない

SPACE COTAN(スペースコタン)は、北海道大樹町を拠点に宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を運営する日本企業。北海道スペースポートは、東と南の両方に打ち上げ可能、かつ拡張性の高い広大な陸地を持つなど地理的条件に恵まれた商業宇宙港として、2021年に本格稼働を開始した。

画像: 北海道スペースポートの将来予想図。

北海道スペースポートの将来予想図。

2025年7月には、台湾のロケット企業「tiSPACE(Taiwan Innovative Space Inc.)」グループが、小型のサブオービタルロケット「VP01」の打ち上げを実施しており、国内だけでなく海外からも注目を集める宇宙港と言えるだろう。

また、ファイアフライは米国の宇宙スタートアップで、1トン超のペイロードを低軌道(LEO)に投入可能なロケット「Alpha(アルファ)」を開発している。現在、アメリカ国内の2カ所とスウェーデンのエスレンジ宇宙センターにて打ち上げ場所の構築が進行中で、北海道スペースポートはアジア初の打ち上げ拠点として展開されることになる。
※低軌道(LEO):高度2,000km以下の地球表面から近い軌道のこと。国際宇宙ステーションもこの軌道を飛行している。

画像: ファイアフライ社のアルファロケット(提供:Firefly Aerospace / Trevor Mahlmann)

ファイアフライ社のアルファロケット(提供:Firefly Aerospace / Trevor Mahlmann)

今回の基本合意締結により、スペースコタンは射場運用コンセプトの定義、射場システム要求の検討、HOSPOからAlphaを打ち上げるために必要なライセンス・規制要件を評価する。

同社は「北海道スペースポートを核とした宇宙版シリコンバレーの形成」という目標を掲げているが、近い将来現実になるかもしれない。今後の展開にも期待したい。

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