2025年5月17日・18日、東京ビッグサイトで開催された「東京GX アクションチェンジング(以下、東京GX)」では、さまざまなGX(グリーン トランスフォーメーション)技術が展示されたが、その中から四輪特定小型原付とレーシングカー、ふたつのモビリティを紹介しよう。

次世代シニアカーとしても期待される「WAKU MOBI」

画像: 全長190×全幅60cmという特定小型原付の規格に収まるコンパクトなサイズの「ワクモビ」。

全長190×全幅60cmという特定小型原付の規格に収まるコンパクトなサイズの「ワクモビ」。

前述のTAJIMA ハイパーEV開発車とは対極の位置にありそうな四輪のEVモビリティが、和歌山市を拠点として特定小型原動機付自転車(以下、特定小型原付)を送り出している「glafit(グラフィット)」の「WAKU MOBI(ワクモビ)」だ。

これは、四輪型の特定小型原付となる車両で、16歳以上ならば誰でも運転することができ、しかも運転免許は不要。ヘルメット着用も努力義務とされ、強制ではない。このワクモビは、免許返納後のシニアに向けた移動課題への新たなアプローチとして開発されているモデルで注目されている。

多くの特定小型原付は2輪だが、4輪としたため安定感は高い。さらに、アイシンによる姿勢制御システムを採用することで座面をより平行に保つ機能を持ち合わせている。車速やハンドル角などの情報に基づき、車体の傾斜角を制御し、二輪車並みの全幅ながら高い自律安性性を実現している。路面の凹凸にも対応して安定した走行が可能というわけだ。

画像: ワクモビの操作部。アクセルはハンドル右のレバー式。戻せばブレーキもかかるが、ハンドル左にブレーキレバーも備わる。

ワクモビの操作部。アクセルはハンドル右のレバー式。戻せばブレーキもかかるが、ハンドル左にブレーキレバーも備わる。

サイズは全長190×全幅60cmという特定小型原付の規格に収まるコンパクトなもので、駆動用バッテリーは鉛電池を採用。だが重い鉛電池ゆえ重心が低くなり、安定性も増しているという。車両重量は約160kgで、走行速度は20km/h。

このワクモビまだプロトタイプで市販化に向けて開発は進められているが、現在開催中の関西・大阪万博では、フロントウインドーとルーフを装着したワクモビも展示されている。なお、関西・大阪万博の会場内ではスタッフ移動用のモビリティとして、ワクモビとは別のグラフィット製電動サイクルが採用されている。

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となった2025年。シニアカーの需要は、今後ますます増えていくはず。このワクモビは特定小型原付を四輪にしただけではなく、姿勢制御システムによる安全性を高めており、実用化が待たれる1台といえるだろう。

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