最大出力1.1メガワットを誇る「TAJIMA ハイパーEV開発車」

ボディパネルから巨大なリアウイングまでカーボンファイバー製。コクピットはかなり後ろにある。
フォーミュラE世界選手権「東京 E-Prix」を盛り上げるべく、東京ビッグサイトで開催された東京GX。2030年のカーボンハーフ、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、GXを体験してもらおうというイベントだ。
GXを代表するモビリティとしては、2輪や4輪、輸入車からはたらくクルマまで、さまざまな電動車が出展され、また試乗会も行われた。エコ志向が強い電動モビリティだが、展示車両の中でひときわ目をひいていたのが、タジマモーターコーポレーション(以下、タジマ)が出展した「TAJIMA ハイパーEV開発車」だ。
タジマを率いる田嶋伸博氏は「モンスター田嶋」の愛称でお馴染みのレーシングドライバーだ。米国コロラド州のコロラドスプリングスで開催されるヒルクライムの世界最高峰「パイクスピーク インターナショナル ヒルクライム」では何度も優勝し、2013年には電気自動車で出場してクラス優勝を果たしている。

リアエンド下部はディフューザー形状とされている。それにしてもリアウイングの大きさがスゴい。
今回出展されたクルマは、パイクスピーク参戦車を進化させた開発車両だ。4モーターによる最高出力は1.1MW(メガワット=約1500ps)、最大トルクは1500Nmを発生。現在は超高性能バッテリーや駆動系制御システムの最適駆動力配分、加減速/スリップ率の制御など、さまざまな新技術のテストを行っている。
全長5170×全幅2100×全高1300mmというサイズは、一般的なクルマと比べるとかなり大きい。それでも、アルミニウム製のスペースフレームにカーボンファイバー製のボディ、57kWh容量のバッテリーに4基のモーターを搭載しながら、車両重量は1500kgにおさえられている。
テスト車両ゆえにカラーリングなどは施されず、カーボンファイバーの黒い生地が剥き出しのボディは迫力満点。シングルシーターなので小型飛行機のようなキャノピー、ハイパワーを確実に路面に伝えるダウンフォースをもたらす巨大な前後のウイングなど、他の電動モビリティとはまったく異なるアピアランスで注目を集めていた。