4年で9つのコンセプトカー公開。顧客は自動車メーカーか?
現時点(2025年4月上旬)までに発表されているFOXTRONブランド(モデルAはFOXCONN)のコンセプトカーは以下のとおり。
●モデルA(2024年10月発表)
同社の年次イベント、ホンハイ・テック・デイ2024(HHTD 2024)でFOXCONNブランドから発表された全長4.3mのコンパクト~ミディアムクラスの5人乗りMPV。詳細は不明ながら、日本市場向けに開発されており、ファミリーユースやタクシー、商用車など文字どおりマルチパーパスなEVとして位置づけられている。現状はコンセプトカー然としているが、2027年度までに日本市場に投入される可能性が非常に高い。

FOXCONNブランドから発表された「モデルA」。日本市場向けのMPVとして開発されている。
●モデルB(2022年10月発表)
全長4.3mのコンパクトクロスオーバー。新世代の集中型EEAアーキテクチャを採用し、より機能的なスマートコクピットやインテリジェント制御の運転モードをサポートする。報道によれば、日本メーカー(三菱自動車?)からの発注により2026年からオーストラリアをはじめとするオセアニアで発売されるようだ。

2023年10月には量産モデル(写真)も公開。
●モデルC(2021年10月発表)
MIHプラットフォームをベースとしたFOXTRONブランドによる最初のモデル。Cd.値0.28、0→100km/h加速3.8秒、航続距離は700kmを謳う。

2021年にコンセプトモデルが発表され、翌2023年後半に本国で発売。2025年末までに北米での発売も計画されている(写真は北米仕様)。
●モデルD(2024年10月発表)
ZF社との共同開発から生まれた新プラットフォームを採用したLMUV(Lifestyle Multipurpose Utility Vehicle)。SUVとMPVの長所を採り入れた全長5195×全幅1995×全高1785mmの大柄な3列シートEVだ。内外装ともピニンファリーナのデザインを採用している。

RWDとAWDをラインナップ。航続距離はWLTPモードで660km前後が可能という。
●モデルE(2021年10月発表)
ピニンファリーナと共同開発した高級フラッグシップセダン。後部座席スペースはモバイルオフィスとしての活用を前提としている。個人のモバイルデバイスと車両をシームレスに接続することで、ドア開閉用の顔認識、スマートウインドウ、車両および環境インターフェイスなどの一連のスマートアプリケーションも利用できる。

RWDとAWDを設定。2024年初頭に量産を開始する計画が発表されていた。
●モデルU(2024年10月発表)
モデルAとならんで日本導入の有力候補と言えるのが、中型バスの「モデルU」だ。2024年10月に発表されたばかりのコンセプトカーだが、スペックも公表されている。全長6990×全幅2080×全高2650mm、ホイールベースは3995mm。ソファエリアを備えた6人乗りリムジンから、最大21人の乗車が可能なマイクロバスまで、さまざまなカスタマイズを可能にしているという。バッテリー容量やモーター出力は不明ながら、航続距離は275kmと発表された。

2027年度までに日本市場に投入される可能性が高い。
●モデルT(2021年発表)
シティバスと呼ばれる乗り合い型の大型EVバス。航続距離は400km以上、最高速は120km/hと発表されている。すでに台湾(高雄、台南、台中、新北ほか)では公共交通機関として導入されており、2025年での増産が決定している。

ピニンファリーナが手がけた未来的なデザイン。台湾では乗り合いバスや観光バスとしてよく見かける。
●モデルV(2022年発表)
台湾初のダブルキャブタイプのEVピックアップ。ボディをかこむセンサーとデジタルバックミラー、ディスプレイスクリーンを組み合わせてインストゥルメントパネルを統合し、安全性を向上させるだけでなく、ユーザーにインテリジェントなテクノロジーを提供する。

北米をはじめ、ASEAN諸国や中南米、オセアニアなどで人気の高いピックアップトラック。最大積載量は1トン、牽引力は3トンと発表された。
●モデルN(2023年10月発表)
従来のイメージを覆した、人に優しい大型の商用デリバリーバン。タップ&アンロードボタンにより自動反転する貨物室や自動搭乗ステップを備え、さらに車体両側と背面の安全警告投影灯、リアローリングドアの自動開放機構も採用。配送業務に従事するドライバーの負担を低減して安全性も向上させる。

大型のデリバリーバンながら、機能を電動化することでドライバーの負担を低減している。
