欧州でルノー/Ampereとの共同開発が、北米で次世代EV開発が本格化
欧州ではとくにEV開発・生産でルノー/Ampere(アンペア:ルノーのEV開発会社で日産も出資)との関係がさらに深まりそうだ。すでに2027年度に新投入するAセグメントカー(日本の軽自動車よりわずかに大きいサイズ)の検討が始まっている。
Ampereは新型マイクラEVの開発にも深くかかわっているが、同車に採用されているAmpRスモールプラットフォーム(旧称:CMF-B EV)を使用して開発中のルノー トゥインゴ E-Techに加えて、新たに日産ブランド車の開発も行うようだ。欧州のEVラインナップは、フラッグシップのアリアを筆頭に、新型リーフ、新型マイクラEV、そして2027年度にはAセグメントEVが加わることになる。

マイクラEVのプラットフォーム/電子アーキテクチャーはAmpereが開発した「AmpRスモール」。つまり、ルノー5 E-TECHと兄妹車だ。
一方、北米では2027年度後半から米国ミシシッピ州のキャントン工場で、次世代EVの生産が開始される。さらに2028年度には、同工場で「QXeコンセプト」にインスパイアされたインフィニティ初のEVとなるSUVの生産も始まる。
混沌とした自動車業界にあって、第3世代e-POWERを中心としたラインナップの再構築、パートナーとともに着実に開発を進めるEV群、さらに各国・地域のニーズに合わせた商品ラインナップの最適化まで。2021年-2030年の長期計画長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の実現に向けて、日産は新たなスタートを切った。今後は開発期間を大幅に短縮してタイムリーに商品を届ける体制作りを目指すとも。
ともあれ、再生に向けた新たな航路が示されたのは吉報であり、それを成功に導けるかどうかはイヴァン・エスピノーサ新CEOをはじめとする新たなボードメンバーたちの手腕にかかっている。生き残りをかけた大勝負の幕が開いた。