国内投入される3台の新型車をちょっとだけ深堀り
では、日本市場に投入される3台とはどんなクルマなのだろうか。独自情報も交えながら紹介しよう。
新型リーフ
詳細な発表は2025年半ばを予定しているが、その直後から北米で生産・販売が始まり、年内には日本、欧州でもそれぞれ生産・販売が始まる。

SUVフォルムとなった新型リーフ。その中身も最新の日産EVテクノロジーを凝縮したもの。
最大のトピックは、FWDのみだった従来型に対して、新たにAWDの選択が可能になること。プラットフォームにアリアから採用が始まったCMF-EVだ。モーター、インバーター、減速機が一体化した「3-in-1」が搭載されて、居住スペースを拡大しつつリアにもモーターを追加することが可能になったのは朗報である。AWDには車両姿勢の安定化と乗り心地の向上を実現する「e-4ORCE(イーフォース)」の採用も期待できそうだ。
航続距離はFWDモデルのエントリーグレードで現行型比25%増の420km台後半、AWDロングレンジでは600kmの大台に乗るとの情報もある。なお、搭載バッテリーはAESC製のリチウムイオンだが、エネルギー密度が大幅に向上し、空力性能も現行型のCd値0.28から0.26に向上したことも相まって航続距離が大幅に伸びる。
新型軽自動車
「新型軽自動車」が2025年に発売されることは、今年2月13日に開催された2024年度第3四半期決算説明会ではじめて明かされていた。完全な新型車となる可能性もゼロではないが、「デイズ」や「ルークス」のフルモデルチェンジと考えるのが妥当だ。2025年秋、つまり10月30日開幕のジャパンモビリティショー、もしくはその直前に発表される可能性が高い。開発は三菱自動車との共同出資会社「NMKV」が引き続き担当する。e-POWER搭載車の登場にも期待したいが、少なくとも発売当初はガソリンエンジン搭載車のみのラインナップになるだろう。

「新型軽自動車」のシルエットはこんな感じ?(写真中央)
新型大型ミニバン
上述の新型軽自動車と同じく、2024年度第3四半期決算説明会で発売が明言されたのが、いわゆる「新型エルグランド」。2025年後半に詳細を説明すると発表されたが、発売が2026年度後半とされていることから、ジャパンモビリティショー2025で事実上の発表となる見込みだ。

2024年度第3四半期決算説明会ではそのシルエットが公表された。
その最大の目玉となるのが、国内では初となる第3世代e-POWER搭載車の設定だろう。第3世代e-POWERは欧州専売車のキャシュカイに搭載されてまもなく欧州市場に登場、2026年には新型ローグ/新型エクストレイルに搭載されて北米・ラテンアメリカ市場でもデビューする。一方の新型エルグランドは国内専売車で、3番目の搭載車種となる。
e-POWERはエンジンを発電専用とした日産独自開発のシリーズハイブリッド。第2世代のエンジン本体は可変圧縮比システムを採用したVCターボだったが、第3世代は可変圧縮比を採用せずに発電用に特化した1.5Lターボに。熱効率を大幅に向上(39%→42%)。室内騒音レベルも大幅に低減された。
電動ユニットは、モーターとインバーター、減速機に加え、発電用の発電機と増速機を「5-in-1」に統合、小型化や軽量化、さらに大幅なコストの低減も進んだ。モーター駆動ゆえの弱点とされていた高速走行時の燃費は、第2世代比で15%改善されているという。

第3世代e-POWERは5つの部品(モーター、インバーター、減速機に加え、発電機と増速機)をモジュール化した「5-in-1」。
新型エクストレイルe-POWERの国内発売は2027年、新型サクラは2028年に登場
そのほか、日本市場では2027年に新型エクストレイルe-POWERの国内生産・販売も始まり、2028年内には待望の新型サクラも投入される。こちらは自社開発・国内生産するLFP(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)を初搭載し、現行型サクラより30%のコスト削減を見込んでいる。

新型ローグは2027年度に「新型エクストレイルe-POWER」として日本でも発売されるだろう。