2025年3月11日、JR西日本、JR西日本イノベーションズ、セレンディクスの3社は、JR紀勢本線初島駅の駅舎建て替えにともない、建設用3Dプリンターを用いた駅舎を建設すると発表した。同社らによると3Dプリンターを用いた駅舎建設は世界初の事例で、工期短縮とコスト効果を検証するという。
3Dプリンター建設技術が広まるきっかけとなるか
JR西日本、JR西日本イノベーションズ、セレンディクスの3社は、老朽化した木造等の駅舎の建替えにともない、新たな試みとして、建設用3Dプリンターを活用した駅舎建設プロジェクトの実現に向けて検討を進めてきたという。
今回の初島駅（和歌山県有田市）建て替えは同プロジェクトの第1弾として実施され、他駅に展開していく可能性を検討してコスト効果や工期などを検証していくとしている。
新駅舎は10平方メートル弱の建物（高さ2.6m、幅6.3m、奥行2.1m）で、建物の基礎部分を含めた外形は最新の3Dプリンター技術を用いて出力したパーツに、鉄筋・コンクリート充填といった必要な処理を行った上で、現地組み立てを行う。
組み上げから躯体完成までの当日の施工時間は、終電から始発までの約6時間を想定しているそうで、従来の建設方式と比較して工期の大幅な短縮効果が期待されている。
また、型枠を使用しないため、造形の自由度が高く、地域の特性を反映した斬新でユニークなデザインに仕上げることも可能だ。
ちなみに今回の駅舎は、有田市の名産である「みかん」と「たちうお」をイメージした装飾が施されている。
駅舎の壁面に地元名産である「みかん」と「たちうお」の装飾を施している。
3Dプリンター技術の導入でコストパフォーマンス、タイムパフォーマンスだけでなくデザイン性にも優れた駅舎建設が実現する。第2弾、第3弾へと繋がっていくのか、今後の展開にも注目だ。
