合言葉は「終電後はシャトルで帰ろう」
「シェア乗り」とは、1台の車両を複数組でシェアして移動するライドシェアのいち形態。過疎地や地方都市を中心に交通空白地帯の増加が深刻な社会課題となっているが、この問題の解決策のひとつとしてニアミーが推進しているのが「シェア乗り」だ。タクシーの車両数は2007年をピークに減少傾向が続いているが、1台の車両を複数の利用客でシェアする「シェア乗り」は、課題解決につながる合理的な取り組みといえるだろう。
ニアミーは、独自のAIを活用して出発地から目的地までの移動をドアtoドアで結ぶタクシーのシェアサービスを中心に事業展開を行う、いわゆるソーシャルデザインカンパニーだ。たとえば、空港とその周辺の都市部を結ぶ空港送迎型の「エアポートシャトル」サービスは、2019年8月の開始よりこれまで延べ90万以上が利用している。
現在は羽田空港や成田空港をはじめ全国16の空港と、空港周辺の都市部で運行しており、対象エリアであれば出発地から空港、そして空港から最終目的地まで一気通貫でつながる。そのため、公共交通機関の乗り換えがなくなるストレスフリーな移動体験を、となる。
2025年1月29日から始まる実証実験は、首都圏の鉄道会社4社によって発足した鉄道横断型社会実装コンソーシアム「JTOS(ジェイトス)※」との連携により実現したもの。利用者同士によるタクシーの「シェア乗り」が、鉄道利用者の新たな移動手段となるように、JTOS各社が有する駅や鉄道、不動産などの経営資源をかけ合わせた広大な実証実験フィールドを提供する。鉄道駅を基点とする「シェア乗り」は、今回が初の試みだ。
※西武ホールディングス、小田急電鉄、東急、JR東日本スタートアップによる企業の垣根を超えた鉄道横断型社会実装コンソーシアムで2023年9月に発足。