出発は終電終了後の25時。今後の路線拡大にも期待
今回の実証運行は、ニアミーと西武ホールディングスが連携して、西武池袋線 池袋駅と小手指駅付近までの範囲で運行する。ニアミーでは、実証実験の結果を踏まえ、今後路線を拡大、将来的には首都圏終電時間帯における新たな移動サービス「ミッドナイトSシャトル」の展開を目指しているほか、始発電車よりも早い時間帯での実施や、地方エリアのオーバーツーリズム問題の解消に向けた展開も検討していくとのこと。なお今回の実施概要は以下のとおり。
「ミッドナイトSシャトル」実証運行概要
・名称:「ミッドナイトSシャトル」
・実証運行期間:2025年1月29日~同年3月末の水・金・土曜日
・実証運行時間:25時発(西武池袋線の終電終了後)
・乗車場所:池袋駅(※西武南口、高速バス乗り場のいずれか)
・実施エリアと料金:
→西武池袋線沿いに小手指駅まで
→練馬区東エリア(都道443号線以東)、中野区一部(富士見台駅付近):4500円
→練馬区西エリア(都道443号線以西):5900円
→西東京市:6800円
→東久留米市/清瀬市:7900円
→東村山市/所沢市:9000円
・決済方法:クレジットカード決済のみ
・最大乗車人数:6名
※その他、詳細は「ミッドナイトSシャトル」のサービスサイトで確認できる。
ニアミーの高原幸一郎 代表取締役社長(高の字は「はしご高」)は、今回の実証実験開始に際して以下のコメントを寄せている。
「今回の取り組みは、私自身が一般生活者として感じていた移動のペインを解消するサービスであり、ニアミーを創業するきっかけにもなりました。鉄道の最寄り駅から自宅までの道のりでスムーズな移動ができなかった、という経験は、誰しもが人生で一度は経験したことがあるのではないのでしょうか。『ミッドナイトシャトル』の実証運行は、移動する方向が同じ乗客同士が「シェア乗り」によって移動することは、乗客にとっては、時間とコストの削減につながり、運転手にとっては、出発地と到着地の往復が減少するだけでなく、一運行あたりの売上が増加するなど、双方によって多くのメリットをもたらすと考えています」
また連携するJTOSも大きな期待を寄せている。担当者のコメントは以下のとおり。
「今回は、JTOSの『MOVE』の取り組みとして、ニアミー社のシェア乗りサービスを活用し、深夜帯の移動課題解決に挑戦します。鉄道の運行時間帯だけでなく、それ以外の時間帯においても、多様な移動手段を提供することで、より快適な生活を送れる街づくりを目指します。今後もニアミー社とともにJTOS各社のアセットを使い、深夜帯の移動に限らず『様々な移動シーンにおける課題解決』や、『新たな移動価値の創出』に取り組んでいきたいと考えています」
「シェア乗り」によるドアtoドアの移動が、電車、バス、タクシーなどの公共交通機関に続く便利で快適な移動手段として定着する日も近いかもしれない。まずは、今回の実証実験の結果に注目したい。