2025年1月16日、岩谷技研と日本航空(JAL)は宇宙遊覧体験の事業化に向けた協業を開始した。岩谷技研のガス気球による宇宙遊覧事業化プロジェクト「OPEN UNIVERSE PROJECT(宇宙の民主化プロジェクト)」にJALが参画し、事業開発および技術開発において連携していく。

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宇宙を気軽に疑似体験できる時代がくる

岩谷技研は、北海道江別市にある航空スタートアップで、高高度ガス気球による成層圏遊覧飛行(高度18km〜25kmを想定)の実用化を目指して開発を進めている。

画像: 2024年7月17日に実施した高高度飛行試験における気球打ち上げのようす。

2024年7月17日に実施した高高度飛行試験における気球打ち上げのようす。

成層圏ということでお気づきの方がいるかもしれないが、このサービスでは実際には宇宙空間(高度100km)には到達しない。ただし、実際に宇宙空間に行った場合と同じように、地球の丸さや宇宙の暗さを体験できるため、ロケットによる宇宙体験よりも低コストで長時間楽しめるというメリットがあるのだという。

また、ロケットでは宇宙飛行士としての身体基準や特別な訓練が必要だが、気球による飛行だと緩やかに上昇・下降できるため、一般人が特別な準備をしなくても体験できるという点でもアドバンテージがあると言えるだろう。

画像: 気球内は気温・気圧が保たれるため宇宙服などは不要。誰でも気軽に搭乗できるのが魅力的だ。(キャビンは2人乗り)

気球内は気温・気圧が保たれるため宇宙服などは不要。誰でも気軽に搭乗できるのが魅力的だ。(キャビンは2人乗り)

岩谷技研は、この気球によって「誰もがいける宇宙遊覧」を実現するテクノロジーを中心に宇宙をすべての人にひらかれたものにしていく「OPEN UNIVERSE PROJECT(宇宙の民主化プロジェクト)」を推進しており、共創パートナーとしてJTB、アサヒグループがすでに参画を発表していた。

今回新たにJALが加わり、「宇宙遊覧」の体験設計や技術開発、人材育成等の分野において、JALグループがこれまで航空運送事業を通じて培ってきた知見やアセットを活用しながら、新たな価値創出を目指していくことになる。

2025年内の商用運行開始を予定しているというので、宇宙の疑似体験が庶民でも楽しめるアトラクションになる日は近いのかもしれない。今後の展開にも注目だ。

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