キュートかつ実用性に優れたレトロモダンなインテリアをついに公開
インテリアデザインの基盤は、同時開発されすでに発売された「5 E-TECH」「4 E-TECH」と多くを共用しているものの、初代トゥインゴを現代的に解釈したディテールが散りばめられており、ボディサイズからは予想できない、広々として、かつ機能的なインテリアに仕上げている。このまま市販されてもおかしくない完成度だ。

今回が初公開となったインテリア。小さなボディからは想像できない広大かつ合理的なパッケージだ。
ドライバー側には7インチのデジタルメーターパネル、センターには10.1インチのマルチメディア・スクリーンパネルを備えたモダンなコクピットだ。グラフィックもこのクルマ独自のデザイン。そして、空調コントロールにはあえて3つのアナログ式ダイヤルを採用、その横にある赤いハザードボタンが初代トゥインゴの記憶を呼び起こす。
そもそも歴代トゥインゴは、都市生活者の利便性向上を念頭に開発されてきた。新世代トゥインゴもそのコンセプトを継承し、合理的なレイアウトが採用されている。ダッシュボードおよび前席左右の下にはバッグや日常的に使うモノを保管できるスペースが、さらにダッシュボード下部にはキャビンの幅いっぱいに広がる平らなスペースもある。本やスマートフォン、サングラスなど、すべて手を伸ばせば届くところに置いておける。
ちなみにコンセプトモデルのフロアには、耐久性に優れた素材である着色コルクが敷き詰められているが、これはショーモデルならではの演出だろうか。
後席は50:50の分割可倒式かつ前後スライド機構を採用。足元のスペースを最大限に広げたり、かさばる荷物を運んだり。小さなボディをさまざまな用途で使い切る利便性の高さはトゥインゴならではのパッケージングだ。
後席シートバックにはリクライニング機構も採用され、その調整ノブはスケートボードの車輪からヒントを得た遊び心も忘れていない。さらに、前席ヘッドレストの後部には後席のパッセンジャーがスマホなどを固定できるマグネットがビルトインされているのもユニークだ。

後席は50:50の分割可倒式。前後スライドやリクライニング機構まで採用されている。
これまで新型トゥインゴの開発に要した時間は、およそ2年間。上述のとおり、「5 E-TECH」と「4 E-TECH」を同時開発してきたからこそ、短期間でプロトタイプを完成することが可能になったのだという。
同時に価格もEVとして、ついに2万ユーロ未満も宣言。今回のブリュッセルモーターショーには、中国メーカーが割り増し関税をものともせずに大挙して出展していることも話題だが、欧州生産にもかかわらず2万ユーロ未満というトゥインゴはEV市場の構造に大きなインパクトを与える可能性がある。
日本上陸についてはまだ言及されていないが、ぜひ前向きに検討してもらいたい。