2024年1月7日(現地時間)、トヨタ自動車の豊田章男会長は米国ラスベガスで開催された世界的な技術見本市「CES 2025」にて、近未来のモビリティテストコース「Toyota Woven City(以下、ウーブン・シティ)」の第1期工事完了を報告するとともに、2025年秋以降から実証実験を開始すると発表した。(タイトル画像:CES2025にて今秋より実証実験の開始を宣言)
5年ぶりに帰ってきたCESで壮大な計画の中間報告
2020年のCESではじめてその構想を発表してから5年。同じ会場で発表されたのは、その後の進捗状況だった。静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本工場跡地に建設が進む実験都市「ウーブン・シティ」は、2024年10月末に第1期工事(Phase 1)が完了し、2025年秋より始まる実証実験に向けて本格的な準備を整えている最中だという。
2018年のCESでモビリティカンパニーへの変革を宣言したトヨタは、上述のようにその実証実験を行う都市「ウーブン・シティ」を自ら創設するという構想を明かして話題となった。もっとも、あまりにスケールの大きな話であり、近未来のモビリティ社会の実証実験を行うための都市構想といっても、いまひとつピンとこなかった人も多かったに違いない。ちなみに当時のプレスリリースには以下のように記されている。
「人々が生活を送るリアルな環境のもと、自動運転、MaaS、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能(AI)技術などを導入・検証できる実証都市を新たに作るものです。プロジェクトの狙いは、人々の暮らしを支えるあらゆるモノ、サービスが情報でつながっていく時代を見据え、この街で技術やサービスの開発と実証のサイクルを素早く回すことで、新たな価値やビジネスモデルを生み出し続けることです」というものだ(2020年1月:プレスリリースより抜粋)。
今回の発表は、その夢のような構想の実現に向けた中間報告である。2024年10月末に竣工したPhase 1の建屋の画像も公開され、この世界に類のない壮大な構想が絵に描いた餅ではなく、いよいよ現実になりつつあることを強く印象付けられた。