2024年11月19日、ヤマト モビリティ&Mfg.株式会社(以下、ヤマトモビリティ)はSBSホールディングス株式会社、株式会社IATと協業し、中古の「三菱ふそう キャンター1.5t」をEV化したコンバージョントラックを完成させた。2024年内に型式認定を取得し、2025年春の量産開始を目指すという。
中古トラックからの改造で「安価なEVトラック」が実現するかも
ヤマトモビリティ(旧称:ヤマト・インダストリー株式会社)は1937年創業で、樹脂部品及び物流機器の製造・販売を行っているメーカーで、近年では株式会社IATと協業して、業務用EV事業に力を入れている。
その一環として、物流サービス会社のSBSグループ、IATグループとともに、トラック改造EVの開発と量産化を推進しており、2024年3月には中古の「いすゞ エルフ2t」を使用した検証を実施。今回はこれに加えて「三菱ふそう キャンター1.5t」を使用した検証を開始したというわけである。
この事業のポイントとなるのは、「長期間使用後の中古トラックの再利用で、投資負担を軽減できる」という点で、今回コンバートされた車両もSBSのグループ会社が所有する廃車予定の2012年型「三菱ふそう キャンター1.5t(FBA00型)」を利用している。
ヤマトモビリティによると、2024年中には型式認証を取得し、公道にて貨物積載状態での走行検証を経て、2025年春までの量産開始を目指しており、SBSグループも2030年までに中・小型車両を中心に1000台程度のEV導入を目標に掲げているという。
トラックのコンバートEV化という事例としてだけでなく、中古車の再利用とEV投資コストの削減という意味でも今後の展開に注目が集まることだろう。