トヨタ出身のエンジニアが作ったミニカーカテゴリーに属する超小型EVの「Lean3(リーンスリー)」。その試乗会が羽田空港の近く、「羽田イノベーションシティ」で開催された。限られたスペースでの短時間の試乗ではあったが、そのポテンシャルの高さは十分に感じられた。

軽自動車未満、バイク以上のニーズはあるはず

さて、日本では2030年に年間1〜2万台が販売目標となるが、最大のセールスポイントは低価格であることだろう。コンパクトで比較的お手頃なEVとしては日産サクラと三菱eKクロスEVがあるが、車両価格は約260万円からの設定だ。補助金があるとは言え、リーンスリーの90万円前後(バッテリーはサブスク[月々3000〜4000円]の場合)にはとてもかなわない。またランニングコストもリーンスリーの方がかなり少なく済む。

このコストの違いはカテゴリーが違うので当然と言えばそのとおりだが、軽自動車までは必要ないが、バイクでは雨の日などは厳しい。バイクよりは荷物をたくさん積みたいなどというニーズはあるはずだ。軽EVよりもっと安く手軽に乗ることができるモビリティの需要はかなりあるのではないかと想像できる。

ではエンジン車の軽自動車でよいではないかという考えもあるかも知れない。しかし、現在、地方でガソリンスタンドは減少の一途だ。日々の通勤や買い物に使うなら自宅での充電だけで済むというのはEVの大きなメリットだ。また都市部で自宅に広い駐車スペースを確保できない場合などでもミニカーカテゴリーのメリットはあるだろう。

コクピット感覚にあふれた適度な包まれ感が嬉しい

実際に運転した印象はどうだったのか。今回は試乗スペースの関係で速度は10km/hほどが限度だったが、その範囲でわかったことをお伝えしたい。まずボディの左側にあるドアを開けて乗り込む。シートはシンプルな作りでシートバックは薄いが剛性はそれなりに確保されている。シートベルトを締めてハンドルを握るといわゆるコクピット感覚で、適度な包まれ感があり安心できる。全幅が970mmというとかなり狭いのではと思われるかも知れないが、とくに不満はない。

画像: インパネまわりのデザイン性も高い。メーターとセレクトボタンはご覧のように右脇に設置されている。

インパネまわりのデザイン性も高い。メーターとセレクトボタンはご覧のように右脇に設置されている。

足元スペースは広いとは言えないが、グローバルカーなので190cmあまりのユーザーでも無理なくアクセル&ブレーキペダルを踏むことができるように設計されているという。前方視界はワイパーのステイが少々気になるが、ハンドル上面がフラットになっていることもあり全般的にはかなり良い。メーターは正面ではなくハンドルの右横に設置されていることも視界の良さに貢献している。また、全高は1570mmあるので頭上のスペースはそこそこ余裕がある。

セレクターボタンはハンドル右側に上からR、N、Dの順番で配置されている。Dを押してスタンバイ完了、アクセルペダルを踏み込んでいく。この踏み込み具合には少々気をつかった。最大トルクがすぐ出るモーターとは言え、定格出力0.6kW以下なのでそこそこ回転を上げないと発進しない。このあたりの感覚は慣れが必要だし、また慣れればとくに気になることはなくなるだろう。

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