2024年10月23日、中国プレミアムEVブランドのZeekr(ジーカー)が2列シートの新型MPV「MIX(ミックス)」の本国発売を開始した。センターピラーレス、前席回転機構ほか革新的なパッケージングを採用したユニークなMPVだ。ジーカーは2025年に日本上陸を予定しており、コンパクトSUVの「X」と3列ラージサイズミニバン「009」から発売開始になると予想されているが、手ごろなサイズと先進的な技術を搭載した「MIX」の早期導入にも期待が持てそうだ。

グレードの違いはバッテリー容量だけ

インテリアの仕様はナッパレザーを多用したプレミアムブランドに相応しい豪勢なもの。前後席はそれぞれ790mmものスライド量を与えられ、さらにアームレスト付きコンソールボックスは2mもの前後スライドレールを備えており、さまざまなアレンジができる。また市街地対応ADAS(レベル2++)や日本のヤマハと共同開発された21スピーカー+総出力 2160Wのオーディオシステム、マッサージ機能付きリアシートほか至れり尽くせりの装備も目を惹く。

画像: 内装は豪華だがデザインは洗練されておりシンプルにまとめられている。

内装は豪華だがデザインは洗練されておりシンプルにまとめられている。

グレード構成は至ってシンプル。76kWhバッテリー搭載のベースモデルと、102kWhバッテリー搭載のロングレンジモデルのみ。装備はすべて共通で、駆動方式も後輪駆動に割り切られている。800Vアーキテクチャーの採用で、SOC10%→80%の所要時間は前車が10.5分、後車でも15分しかかからない(いずれもDC450kW充電器使用時)。現地価格は前車が27万9900元(約598万円)〜、後車は29万9900元(約641万円)〜と本国では高級車の部類に入るが、完全な新型車としてはではリーズナブルな値付けとなっている。

いわばジーカーの技術的なフラッグシップを担うモデルであり、今後欧州や東南アジアなどの富裕層に向けて輸出も開始するとのこと。現時点では日本仕様のアナウンスはないが、先進技術のショーケースでもあり、先行して上陸する「X」や「009」に次いで上陸する可能性は高い。2列シートが国内でどのように受け取られるかは未知数だが、上陸すればアルファードを始め国産上級ミニバンの強力なライバルとなる可能性は高い。

画像: あまり前面に出してPRしていないが0→100km/h加速は6.8秒となかなかの俊足だ。

あまり前面に出してPRしていないが0→100km/h加速は6.8秒となかなかの俊足だ。

【主要諸元 Zeekr MIX】
・全長×全幅×全高:4688×1995×1775mm
・ホイールベース:3008mm
・最小回転半径:4.95m
・乗車定員:5名
・車両重量:2739kg
・モーター最高出力:310kW/421ps
・モーター最大トルク:440Nm
・バッテリー容量:76kWh(LFP)/102kWh(NMC)
・航続距離(CLTCモード):550km(76kWhバッテリー車)/702km(102kWhバッテリー車)

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