今春発表されたルノー5に続くレトロフューチャーシリーズの第2弾「ルノー4(キャトル)E-Tech electric」が、あと10日余りで世界初公開される。2024年10月1日(現地時間)に公開されたティザー画像を元に、現代に蘇るフル電動のサブコンパクトSUVの概要をまとめてみた。

世界中で30年余も愛された歴史的名車がEVで復活

ルノー4(以下、R4)は1961年から1992年にかけて、30年以上に渡りフランスだけでなく中東や西アフリカ、そして中南米など世界各国のルノー工場で生産されたコンパクトハッチバックの先駆けだ。本国ではグレード名にちなみ「R4L(キャトレール)」と呼ばれることも多い。

当時は“もっとも成功したハッチバック”と呼ばれ、商用バンの「F4(フルゴネット)」など派生車も誕生した。その総生産台数は800万台を軽く超えるとされており、生産終了から30余年を経た現在も世界各国で根強い人気がある。

画像: 2022年10月に開催されたパリモーターショーで初公開された「4ever Trophy Concept」。

2022年10月に開催されたパリモーターショーで初公開された「4ever Trophy Concept」。

そんなR4がEVとして復活することが公にされたのは、2022年10月のパリモーターショーでのこと。4Lトロフィーラリーにちなんで「4ever Trophy Concept」と名付けられたコンセプトモデルを世界初公開した。

現代的な解釈で再構築された完全電動のBセグメントクロスオーバーとして、2025年に発売されることがアナウンスされたのも記憶に新しい。2023年3月には全仏オープン会場にカラフルな「4ever Trophy wearing colours of the 1962 4L」も展示された。

画像: 2023年3月のテニスの全仏オープン会場に「4ever Trophy wearing colours of the 1962 4L」も展示された。

2023年3月のテニスの全仏オープン会場に「4ever Trophy wearing colours of the 1962 4L」も展示された。

R5E-Techをベースに実用性を高めたクロスオーバー

その量産車が、いよいよ2024年10月14日に開幕するパリモーターショーで世界初公開される。それに先立って公開されたティザー画像を見ると、コンセプトカーのようなラギッドなイメージは影を潜め、都会的でボクシーなスタイルのクロスオーバーになった印象的だ。

往年のR4を彷彿とさせるグリル形状や格納式ファブリックルーフなどのディテールを散りばめながら、本来のR4の魅力であった都市部での使い勝手の良さ、そして休日のファミリードライブまで1台でこなす実用性を備えていることが伺える。

画像: 長方形のグリル中央にはルノー車で初めてバックライト付きのエンブレムを備える。

長方形のグリル中央にはルノー車で初めてバックライト付きのエンブレムを備える。

全長は4140mm、ホイールベースは現時点で非公開ながら2570mmで間違いない。AmpR Small プラットフォームなどメカニズム/電動パワートレーンは先にデビューした「R5 E-Tech」と多くを共用している。全長はR5よりも220mm長いが、その延長分は主に居住性の向上に充てられたようだ。

画像: 独自の巻き上げ開閉機構を採用したファブリックトップもオプション設定。

独自の巻き上げ開閉機構を採用したファブリックトップもオプション設定。

駆動方式は現在のところ前輪駆動のみ、乗車定員は5名とされている。パワートレーン系のスペックはまだ公表されていないが、モーターは、最高出力70kW(95ps)、同90kW(123ps)、同110kW(140ps)の3種類から選択できるようになるはず。バッテリー容量も40kWhまたは52kWhが用意されるだろう。

画像: R4のトレードマークだった台形クォーターウィンドーのモチーフを継承している。

R4のトレードマークだった台形クォーターウィンドーのモチーフを継承している。

ボディタイプはメタルトップが標準、独自の巻き上げ式開閉機構を採用したファブリックトップがオプションとして用意されるようだ。どちらもオリジナルR4のシルエットを再現したルーフトップスポイラーが標準装備される。

量産が始まるのは2025年中旬から。生産は全車がフランス国内のルノーエレクトリシティ(モーブージュ工場)で行われる。まずは本国で納車が開始され、順次、欧州各国や中東、中南米、そしてアジア地域にも導入される見込み。日本への上陸に関して言及はまだないが、R5E-TechやアルピーヌA290の日本発売が検討されているので、R4E-Techの発売も期待できそうだ。

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