伝統だった丸型4灯のヘッドライトは、丸型2灯に
ベントレーのコンチネンタルという名称は1950年代に始まり、高い動力性能とラグジュアリー性を併せ持つ数々のグランドツアラーモデルに与えられてきたもの。この名称は2003年に発表された「コンチネンタルGT」に引き継がれ、登場から21年を経過した今、第四世代へのモデルチェンジを迎えようとしている。
ボンネットフードを縦に貫くエッジや大きな逆台形のフロントグリル、フロントフェンダーからドアにかけてのキャラクターラインやリアフェンダーフレアを強調するプレスなど、初代から続く伝統のデザインは継承する。その一方で従来丸型4灯だったヘッドライトは、1本の直線を挿入した丸型2灯に変更されている。
![画像: コンチネンタルGTスピードはPHEVノパワートレーンを採用する。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/06/26/2faee4321c7a743a983dd24f2a7645f93ec82753.jpg)
コンチネンタルGTスピードはPHEVノパワートレーンを採用する。
この意匠は2019年にベントレー100周年の際に登場し、次の100年を見据えて2035年のグランドツーリングがどうあるべきかを示したEVコンセプトカー「EXP 100 GT CONCEPT」に酷似する。その名のとおりグランドツアラーなのだから、新型コンチネンタルGTのデザインを示唆したモデルだったのかもしれない。テールエンドを見比べてみれば、六角形の高さを薄くしたような形状(紡錘形)も共通するデザインとして採用されている。
![画像: コンチネンタルGTの伝統的デザインを色濃く残したコンセプトカー「EXP 100 GT CONCEPT」。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/06/26/76272dcc31f8cc116ff7fae5ec6ace4849aeab09.jpg)
コンチネンタルGTの伝統的デザインを色濃く残したコンセプトカー「EXP 100 GT CONCEPT」。
今回公開されたのはコンチネンタルGTスピードで、ラインナップの中でも最も強力なパワートレーンを搭載したグレード。「スピード」の名称がつくのは従来W型12気筒エンジンを搭載したモデルだったが、新型では4L V8ツインターボエンジンが採用される。
ベントレーはこれを「ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド」と呼称し、600ps/800Nmを発生するエンジンと190ps/450Nmのモーターを組み合わせることでトータル最高出力は782psに達したと公表している。この数値はW12エンジンよりも20%近く高いもので、最大トルクも1000Nm(従来は900Nm)と4桁の大台に乗せたことになる。
この大パワーは8速DCTとエレクトロニック リミテッド スリップ デファレンシャル(eLSD)を介して4輪に伝達されるのと同時に、前後/左右に駆動力を配分するトルクベクタリング機能も採用されて、走行性能やハンドリング、快適性の向上にも寄与しているという。
モーターに電気を供給する25.9kWh容量のバッテリーはリアアクスル後方に搭載されることで重量配分を最適化、コンチネンタルGT史上ではじめて前49:後51というリア寄りの重量配分を実現している。もちろんモーターだけによるEV走行も可能で、プラグインによって満充電した状態であれば航続可能距離は81kmとしている。しかもEVモードでは140km/hまで加速できるというから驚きだ。
![画像: V8ツインターボのPHEVを搭載したコンバーチブルの「コンチネンタルGTC」も同時に公開。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/06/26/0009fb82c46b198dee2986a05c859a6a8862f9af.jpg)
V8ツインターボのPHEVを搭載したコンバーチブルの「コンチネンタルGTC」も同時に公開。
電動化により静粛性は高まり、燃費・CO2排出量は低減、システム総合のパワーも向上するなど、コンチネンタルGTとしての個性的性能を高めることに成功しているように感じられる。
初代モデルからラインナップされてきたコンバーチブル「コンチネンタルGTC」はひと足遅れて登場してきたが、新型では同時発表となる。またデリバリーは2024年第3四半期に開始する予定となっているが、日本市場における車両価格や詳細なスペックなどはまだ公開されていない。