レーシングテクノロジーが投入された空力ボディ
エクステリアは全長3990×全幅1820×全高1520mm。ルノーサンクに比べ70mm長く、50mm幅広で、20mm背が高い。ホイールベースは2530mmと発表されている。こちらはルノーサンクより10mm短いが、シャシも変更が加えられているのか、それとも単に計測方法の違いによるものなのか詳細は不明だ。
全長の延長は、レーシングマシンを彷彿とさせるフロントバンパーとリアディフューザーの採用による。また全幅の拡大は19インチタイヤとそれを覆うオーバーフェンダーの装着によるものだ。
フロントバンパーのインテーク形状、幅広のサイドスカート、リアディフューザーの形状はいずれもアルピーヌがモータースポーツ活動で培ってきた緻密な理論の上に決定され、コンセプトカーに見られた特大のリアスポイラーの採用は見送るとともにテールゲートの形状をダックテール処理している。
グレード構成は、高性能版の「GT パフォーマンス」と「GTS」、ややパフォーマンスを抑えた「GT」と「GTプレミアム」の4種類。さらに発売時には、コンセプトカーA290βにインスパイアされた特別仕様車「プレミアエディション」が同社の創業年にちなんで1955台限定発売される。
瞬時にモーターの最高出力を引き出す「オーバーテイク」
車内はルノーサンク譲りの5人乗りの高い実用性はそのままに、アルピーヌならではのレーシーな世界観に包まれる。専用デザインのフラットボトム型3本にはナッパレザーを採用する。
さらに、F1マシンを彷彿とさせる3つのスイッチ類が目をひく。左側のブルーに着色されたロータリーノブはバイワイヤ化されたブレーキの回生レベルを設定する「RCH(Recharge)」、右側の黒いボタンは「運転モード(セーブ、ノーマル、スポーツ、パーソナル)」の切替え用、その上に見える赤く彩られたレバーは「OV(Overtake)」ボタンだ。
10.1インチのセンタースクリーンはドライバー側に傾斜して取り付けられており、視線をそらさずにさまざまな情報が入手できる。
シートにも細心の注意が払われた。日常の快適性を損なうことなく、とくにサイドサポートを強化することでサーキット走行もこなせるタフな設計だ。