EVを買いたいが何が不安かと言うとガス欠ならぬ“電欠”してしまうこと、という人は多いようです。「常に充電量を気に掛けていれば心配ありません」と言われても、やはり“もしも”と考えてしまうもの。そんなとき頼りにしたいのがJAFや損保会社のサービスですが、実際に助けに来てくれるのでしょうか。

EV関連のロードサービスは年々増加しているのが現状

どれほど気を付けていようともエンジン車のガス欠がなくならないように、EVにも充電がゼロになってしまう電欠がつきものです。充電するつもりの充電スポットが故障で使えなくなっていたり、気が付けば近くに充電スポットのないところを走っていることもあるでしょう。

実際のところ、2020年にJAFが実施したEVのロードサービス5804件のうち、573件が「EVの駆動用電池切れ(電欠)」だといいます。つまり、JAFに助けを求めたEVの約1割が電欠だったのです。そして2022年には電欠の件数は700件をオーバー。つまり、年々、電欠の件数は増加しています。

そんな電欠に対してJAFは救援を行ってきました。電欠したEVを最寄りの充電スポットまで搬送してくれたのです。また、各損保会社が実施しているロードサービスでも、同様の救援措置が取られています。基本的にレッカーで充電スポットまで搬送するというのが、スタンダードな救援方法となります。

画像: JAFが導入した「EV充電サービスカー」。

JAFが導入した「EV充電サービスカー」。

また、JAFでは2023年8月より、電欠したEVに対して、その場で充電を行う「EV充電サービス」も試験運用を開始しています。JAFのバン型サービスカーに急速充電を行える機器を搭載して、現場に急行。その場でEVに充電を行います。サービスは、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府で開始され、今後、全国に拡大する予定だそうです。

画像: セゾン自動車火災保険の「現場駆け付け急速充電サービス」。

セゾン自動車火災保険の「現場駆け付け急速充電サービス」。

損保会社でも、セゾン自動車火災保険は「現場駆け付け急速充電サービス」も行っています。まず東京・神奈川・千葉の地域でスタートして、今後対象地域を拡大していくとのことです。

というわけで答えはイエス。その場での充電、もしくは充電スポットまでレッカー移動してくれます。なお、電欠になりそうで近くに充電施設がない場合は、安全を確保するため完全に電欠してしまう前に道路脇に停めて早めに救助してもらうようにしましょう。

●著者プロフィール
鈴木 ケンイチ(すずき けんいち)1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。

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