出力/効率ともに向上したハイパワーユニットが誕生
新パワートレインは「ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド」と呼称される完全新設計のものだ。ベントレーがこれまで培ってきた、クラストップの内燃エンジンパフォーマンスというポジションを受け継ぎ次世代のフラッグシップに採用されることになった。
1920年代のスーパーチャージャーがターボチャージャー搭載の先駆けとなり、そのターボチャージャーも現在に至るまで進化してきたように、ベントレーはこの夏「エレクトロチャージャー」でさらなるパフォーマンス向上を実現するという。
新設計のハイブリッドシステムにより、ベントレー105年の歴史の中で最も先進的かつ最強のパワートレーンに仕上げられているそうだ。
このシステムのベースとなるのはベントレー既存のハイブリッドパワートレインだが、その最高出力は750ps以上とのことで、フライングスパーやGTのスピードモデルに搭載されているW12エンジンと比べて91ps以上の出力向上を達成している。
また、より広い回転域で4桁Nmのトルクを発生し、しかもWLTPモードのCO2排出量は50g/km未満、電動での航続距離も80kmを確保するなど、パフォーマンス、効率ともに向上しているのが特徴だ。
フラッグシップはW12エンジンからV8ハイブリッドへ
この夏引退を迎える6.0リッターW12ツインターボエンジンはベントレーを象徴する存在であり、過去20年間に10万5000基が製作された。今後は今回登場した「ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド」がベントレーを代表するパワートレインとしての役割を引き継ぎ、電動ラグジュアリーカーとして世界最高のパフォーマンスを提供していくことになる。
また、新パワートレインのエンジンサウンドも公開されており、クロスプレーンが奏でる低音と軽快に吹け上がる咆哮が絶妙に融合する新しいサウンドを楽しむことができる一方で、電動モードでは静音になり、静謐な走りを味わえるそうだ。
ベントレーによれば、この新パワートレインの詳細は近く発表される予定で、同システムはベントレーの「ビヨンド100」戦略を次のステップへと推し進める原動力となり、この新パワートレインの導入により、全ラインアップにハイブリッドモデルを設定するという目標が達成されることになる。
なお、W12エンジンおよび非ハイブリッドのV8エンジンを搭載する車両は残りわずかとなってはいるものの、まだオーダーは可能なそうだ。これがラストチャンスとなる。