2024年は6月以降に5つのニューモデルが登場
北欧の国デンマークは1970年代のオイルショックを契機に、環境先進国へと舵を切ったと言われている。ゴミ処理場にスキー場やハイキングコースを併設して市民の憩いの場として運用、ひとつの島全体に自然エネルギーによる発電施設を建設、家庭ごみの半分を再利用するための仕組みづくりなど、環境保全の活動は数知れない。
その中には自転車利用を推進するものもあり、自転車用の信号を配備した専用レーン、都市間を繋ぐ自転車専用の多車線高速道路「自転車スーパーハイウェイ」を延べ850km(内240kmは完成)敷設する計画など、自転車環境を整えるまちづくりが進行している。こうしたサポートもあってデンマークの自転車利用者は増加、首都コペンハーゲンで所有されている自転車の数は市民の人口の1.2倍にも及ぶという。
そんな自転車先進国で2016年に創業した自転車メーカーが「MATE.BIKE」だ。現在日本で展開されている3つのラインナップ、オンロードタイヤを装着した「MATE City」(27万5000円)とオフロード仕様の「MATE X」(39万6000円)、20×2.4インチのセミファットタイヤを装着する「MATE Fusion」(33万円)はいずれも折りたたみ式の電動アシスト自転車で、太いトップチューブ(フレーム)に内蔵されたバッテリーと250Wのモーターを組み合わせて80kmのアシスト走行距離を実現している。
また2023年4月に発売されたMATE Fusionでは、細い丸ゴシック体だった従来のブランドロゴの字体を太い角ゴシック体に変更、モダンなカラーバリエーションを導入した次世代モデルとして位置付けられている。2024年4月20日には、一部改良を受けたMATE Xも同様のデザインに刷新するとともに、カラーグラデーションも新たに取り入れるなど、イメージを一新している。
MATE Xの一部改良モデルを導入したばかりのMATEだが、実は2024年はニューモデルラッシュになることを予告している。
2024年6月には、スポーツタイプの20インチタイヤを装着してミニベロのような風貌のMATE Cityにも、ロゴやボディカラーを一新した一部改良を実施する。
2024年8月にはMATE Xの最上位モデルにあたる「MATE X EVO」を世界限定300台で発売、日本にも導入される。装備やスペックなどの詳細は未公開だが、特別なサスペンションを装着することがアナウンスされている。
2024年夏〜秋にかけては、ブランニューモデル「MATE GO」(開発ネーム)が発表される。安全性を高め、あらゆるユーザーを想定した次世代スマートモビリティになるというが、こちらも詳細はまだ非公開だ。
2024年秋にはMATE FUSIONに季節限定カラーを設定する。さらに2024年冬、最後に色々な意味で大型なモデル「MATE SUV」も登場する。その機能性はマルチユーティリティバイシクルとでも表現すればいいのだろうか・・・前2輪のタイヤの間に大きなラゲッジボックスを備えたその姿はすでに公開されており、「自動車に代わる新たな移動手段」をコンセプトにドイツで技術開発を行われたモデルだ。
最大の特徴となっているラゲッジボックスはオプションにより、深さを変えて容量を大きくしたり、ジュニアシートを装着して子どもを座らせられたり、キャノピー(風防)を装着するなどさまざまな形態に変化する仕様となっている。
ラインナップの中で最重量級となる車両重量49kgに対応するブレーキやバッテリーの強化、ベルトドライブ機構の採用など他モデルとの共通項は少ない超個性派となっており、その発売は2025年春が予定されている。
MATEによる2024年のモデルラッシュは始まったばかり。今後の展開が気になるところだ。