2024年5月1日、鉄道とロープウェイのいいとこ取りをしたような自走型ロープウェイ、「Zippar」を開発するZip Infrastructure 株式会社が、神奈川県と連携協定の締結を発表した。今後、勉強会の設立など同県内への導入に向けた動きが始まる。

協定の内容

Zip Infrastructureと神奈川県は、自走式ロープウェイであるZipparの特徴を踏まえ、どういった場所に導入できるか等の技術的な研究を行うために「勉強会」を立ち上げ、導入可能な地形や道路の条件を整理する。また、市町村を対象としたニーズ調査、導入意向のある地域におけるルート検討などを行うとしている。

Zipparは2018年より開発が進められ、2023年4月には神奈川県秦野市にて12人乗りテストモデル車両の走行に成功している。今後も神奈川県内での導入を目指して、同県と共に開発を進めるそことになる。

画像: 協定の内容

ロープウェイは都市部に向かないが、都市部でないと黒字化が難しい

既存のロープウェイは支柱同士にロープを張り、そのロープにゴンドラをぶら下げ、ロープを回していくことによってゴンドラを動かしているため、ゴンドラ自体には自走能力がないという特徴を持っている。鉄道と比較した際のメリットとしては、傾斜に強く、敷設距離あたりの建設費も安くすむ点が挙げられる。

ただし、支柱と支柱の間にロープを通すという性質上、カーブを設けることができず線形が直線的になってしまうため、建設用地の確保が難しい都市部へ導入しづらいというデメリットがあった。

画像: Zipparは自走式なので、自動運転との相性も良い

Zipparは自走式なので、自動運転との相性も良い

またロープを回していくという構造により分岐を設けることができない点や、大量輸送に向かない点も都市部への導入には不利な要素として働くため、基本的には山岳部で鉄道建設が困難な場所や観光地などに設置されるのが通例となってきていた。

こうした既存のロープウェイが抱えるネガ要素を解決すれば、コストパフォーマンスの高い交通機関が生まれるはずだという発想で誕生したのが自走式ロープウェイの「Zippar」というわけだ。

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