2024年4月16日、BYDのプレミアムサブブランド「ファン・チェン・バオ(Fang Cheng Bao:方程豹」が2024年後半から2025年にかけて発売する新型フラッグシップ「Bao 8」とその後、発売予定のコンセプトモデル2台を公開した。4月25日から開催される北京オートショー2024で一般公開されるという。(タイトル写真はコンセプトモ「Super9」)

【Super9:ブランド初のフル電動スポーツカーを暗示】

ファン・チェン・バオのもつもうひとつの顔が、スポーツカーブランドであること。現在はSUV/クロカン系プレミアムカーブランドを前面に押し出しているが、2025年以降にはEVスポーツカーを少なくとも2〜3台を揃える計画だ。

画像: EVスポーツカーシリーズの第一弾。「Super9」はあくまでコンセプトカーだが、市販モデルはどうなるか。注目したい。

EVスポーツカーシリーズの第一弾。「Super9」はあくまでコンセプトカーだが、市販モデルはどうなるか。注目したい。

公開された「Super9」は、早ければ2025年に発売されるブランド初のEVスポーツカーを暗示しているという。デザインを手掛けたのはBYDグループのチーフデザイナーであり、ランボルギーニやアウディで辣腕を振るったヴォルフガング・エッガー氏。シザードアを備えたスピードスターのデザインは、レトロな要素と未来感を巧みに盛り込んでいる。ボディはカーボンモノコック。市販時にどこまで再現されるのかは不明だが、すでに完成度は相当高い。1年後? の発表に大いに期待したい。

BYDが目論む欧州プレミアム市場の開拓

BYDは、デンツァ(Denza)、ヤンワン(YangWang)、そしてファン・チェン・バオという3つのプレミアムサブブランドを擁するまでに成長した。

画像: 2025年時点でのファン・チェン・バオのラインナップ。今後は欧州市場攻略を目論んでいる。

2025年時点でのファン・チェン・バオのラインナップ。今後は欧州市場攻略を目論んでいる。

一方で、すでに中国国内のNEV(新エネルギー車:EV、PHEV、FCEV)市場は飽和状態にあるとも言われる。かつての日本車メーカー同様、今後は海外に市場を求めていかざるを得ない。BYDブランドに加え、3つのプレミアムサブブランドが、海外市場、なかでも重視していると思われる欧州市場で受け入れられるかどうか。欧州プレミアムブランドの反攻も含め、今後の動向に注目しておきたい。

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