2024年4月8日、東京海上日動火災保険株式会社は宇宙関連の情報サイト「SpaceMate(スペースメイト)」を開設した。宇宙旅行に関連した保険やさまざまな情報を発信していくという。

損害保険会社だからできる宇宙産業の支援プロジェクト

宇宙旅行産業は、スペース・アドベンチャーズやスペースX、ブルーオリジンなど民間企業が事業化を始めたことで大きく拡大、宇宙旅行はより身近になったといわれる。そしてこの傾向はさらに強まることが予測されている。しかし現段階においては数分間の宇宙滞在で5000万円ほど、10日間前後の滞在で数十億円の費用がかかる、旅行産業においては最上位の高級レジャーといえる。

まだ夢のまた夢のような世界だが、その環境ゆえ死と隣り合わせであったり、宇宙ごみ(スペースデブリ)の増加問題など、宇宙にまつわる社会課題やリスクが生まれていることも事実としてある。今後の宇宙産業が成長・発展するためには、リスクコンサルティングや社会課題の解決に向けた支援が重要なファクターになってくる。

画像: 衛星の打ち上げや月面探査、そして旅行など、宇宙関連産業は拡大している。

衛星の打ち上げや月面探査、そして旅行など、宇宙関連産業は拡大している。

こうした課題解決に、一見 宇宙産業との関連は薄そうに見える損害保険会社の東京海上日動火災は、人工衛星やロケットの打ち上げなど宇宙特有のリスクに対する保険商品の提供やコンサルティングを1970年代から行ってきたという。そして2022年4月、およそ50年にわたって培ってきた知見を活かして、産業の発展に貢献する「宇宙プロジェクト」を始動させた。

同プロジェクトでは保険商品の開発だけでなく、宇宙産業企業との協業、人工衛星データによる災害予測精度の向上、宇宙飛行士をはじめとする人材の育成など、関連する幅広い取り組みが行われている。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が展開する宇宙飛行士募集のサポーターとして参画、また、宇宙ゴミを軌道から外して大気圏に突入、焼却廃棄するEDT(導電性テザー)装置を開発するALE社との協業など、すでにいくつかのプロジェクトが進んでいる。

画像: 東京海上日動火災保険が展開する宇宙関連情報サイト「Spacemate」。 spacemate.jp
東京海上日動火災保険が展開する宇宙関連情報サイト「Spacemate」。
spacemate.jp

こうした宇宙旅行産業を取り巻く環境は映像や画像として目に入り、ひと昔前よりも身近になったことは実感できるものの、レジャー産業というにはまだ距離感を感じる。そうした中で東京海上日動火災は宇宙関連情報サイト「SpaceMate」を開設、宇宙旅行が当たり前になるであろう近い未来に備えて情報を発信するというわけだ。

関連する企業・自治体との対談企画を通した宇宙産業の「今」や、宇宙旅行や宇宙を体感できる施設・イベント情報、宇宙旅行に行くための知識などを展開。専門性・ノウハウを結集して宇宙産業を支援、社会課題の解決を推進するとしている。

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