車椅子ユーザーがスムーズにお出かけできる社会を目指して
今回の実証実験は、トヨタ自動車の技術部門とミサワホーム総合研究所の知見を活用し、日本という世界で最も高齢化率が高い国で、高齢者が自由に外出できないという社会課題を市販モビリティと住宅を結びつけることで解決できるという仮説の検証をするために行われる。
具体的には、市販モビリティと既存住宅のリフォームを組み合わせて、距離、動線、水平垂直のギャップを解消し、バリアフリー化を図る。
![画像: 折りたたみ式のオーニングにより、雨天時でも雨を気にせずに移乗できる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/03/29/a22a580c6704627603d6b25fff63110531011295.jpg)
折りたたみ式のオーニングにより、雨天時でも雨を気にせずに移乗できる
これにより、車椅子ユーザーが居室からモビリティへ直接移乗できるようになり、自由な外出を促進し、同居する家族の負担軽減にも寄与することを目指しているそうだ。
実証現場のモデルハウスでは、リビングとウッドデッキの段差をなくすためにサッシがフラット化され、ウッドデッキ上部には折り畳み式のオーニングを設置し、雨から保護しているほか、サイドカーテンも設置され、外からの視線を気にせずに移動できる。また、市販モビリティへの乗降用リフトをウッドデッキに設置することで、介助者の負担を軽減されているのもポイントである。
![画像: 家からそのまま車両に乗り込めるフラット構造になっている](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783662/rc/2024/03/29/f5bf44e61a4a70ecda11897695067a2b57fdb93e.jpg)
家からそのまま車両に乗り込めるフラット構造になっている
先行して2024年1月に行われた、医療関係者や介護従事者向けの実証実験では、居室から最短距離で直進移動できる市販モビリティへの移乗が可能であること、天候や気象条件に左右されずに家族だけの支援で自由に外出できること、乗用車のサイドドアから乗降できるため、車椅子ユーザーが2列目の空間で家族と一体感を持って外出できることが高く評価された。
なお、実証実験は2024年4月1日から4月26日まで愛知県刈谷市のトヨタホーム体験型総合住宅展示場アトリスパーク刈谷で行われる予定だ。