2024年2月19日(現地時間)、仏スポーツカーブランドのアルピーヌは、100%電動のホットハッチバック「アルピーヌA290」を今年6月に発表することを明らかにした。あわせて量産モデルのインテリア写真や、北極圏に近いスウェーデンのラップランドで実施されている量産プロトタイプによる最終確認テストの模様も初めて公開した。

アルピーヌA290専用開発のタイヤを3種類用意

タイヤは既報のとおり、ミシュランとの2年間に及ぶ共同開発による専用19インチタイヤが3種類用意される。

・Pilot Sport EV:グリップ力、耐久性、航続距離などを高次元で最適化した標準装着タイヤ。
・Pilot Sport S5:ウェット、ドライを問わずA290のポテンシャルを最大限に引き出すハイパフォーマンススポーツタイヤ。
・Pilot Alpine5:雪道や低温下でも安定したグリップ性能を発揮する冬用タイヤ。

各タイヤにはA290専用であることを表す「A29」のマーキングが施される。タイヤ交換時にアンマッチングなタイヤが装着されることを防ぎ、安全性、航続距離、ハンドリング、耐久性、快適性、走行ノイズなどA290のパフォーマンスを最大限に発揮させることがその狙いだという。

画像: ミシュランと共同で開発した225/40R19タイヤ。夏用2タイプと冬用1タイプ(写真)が用意される。

ミシュランと共同で開発した225/40R19タイヤ。夏用2タイプと冬用1タイプ(写真)が用意される。

モータースポーツ直系ブランドならではのインパネ

今回もっとも注目すべきは、一部ではあるがインテリアが公開されたことだろう。そこには、モータースポーツ直系のブランドであることを誇示するアイテムが採用されている。

ステアリングはもちろん専用で、ナッパレザーを使用したフラットボトムデザインを採用。そこには、同ブランドが参戦するモータースポーツ直系の機能ボタンが採用されている。

画像: 専用形状のステアリングホイールにはモータースポーツ直系ブランドならではのボタンが搭載されている。

専用形状のステアリングホイールにはモータースポーツ直系ブランドならではのボタンが搭載されている。

まずは「OV(オーバーテイク)」ボタン。短時間ではあるが瞬時に電圧を上げてモーターのポテンシャルをフルに引き出す。「RCH(リチャージ)」ボタンは、回生ブレーキの特性を任意でコントロールするもの。回生優先、ブレーキフィーリング優先、ストッピングパワー優先など、EVならではのコントロールが可能だ。そして最後が「ドライブモード」ボタン。シチュエーション別にあらかじめプログラミングされた走行モードにワンタッチでアクセスできる。

残念ながらコクピットの全景やシートの形状などは不明だが、“A290_β(ベータ)”のような変則的な3人乗りではなく、実用性も兼ねた5人乗りであることは発表された。なお、フロントシートはファブリックとレザーを組み合わせたリクライニングバケットシートが採用されていることがスパイ写真などから明らかになっている。

正式発表は2024年6月。果たして車両価格は?

今回の発表に際して、アルピーヌCEOのフィリップ・クリーフ氏は、
「当社のA290は現在、マイナス30度スウェーデンのラップランドで極限かつ厳しい条件でテストされています。今回のテストでは、極限下におけるハンドリングと機敏性に関する開発プロセスの最終確認に重点を置いています。A290はまったく新しいクルマであるため、あらゆる状況や天候条件で性能を発揮できるように最後のチューニングをしているのです。必要とされるすべての性能基準を満たしており、日々もたらされる報告は、6月に控えた正式発表にむけて自信を与えてくれています」と自信を見せている。同ブランドが掲げる電動化計画「Dream Garege」の第一弾でもあるA290には、大きな期待がかけられているようだ。

A290のベース車であるルノー新型サンクは間もなく発表される。V2G対応など新たな機能を盛り込みながら、その車両価格は“同クラスのハイブリッド車並み”と囁かれている。それが実現すれば、欧州ならず世界中のEVマーケットに衝撃が走ることは間違いないだろう。となれば、多くを共用するA290にもそれなりのプライスを期待してしまう。

日本への導入予定は不明ながら、当面はA110の代替車的な意味合いもあり発売される可能性はかなり高いのではないだろうか。EVのホットハッチで走りを楽しみたい、という人は6月の正式発表後の動向に注目しておくことをお勧めしておく。

This article is a sponsored article by
''.