ランクルファミリー初のモノコックボディ採用
トヨタが北米で初めて生産する3列シートのEVは、昨秋開催されたジャパンモビリティショー2023で世界初公開された「ランドクルーザーSe」で間違いない。生産は2025年より開始されるが、今回の発表はその量産開始への準備が整ったことをアピールしている。
ランドクルーザーSeは2021年12月に発表されたコンセプトカー「bZ Large SUV」がルーツ。通称“bZ5X”と呼ばれていたラージクラスの3列シートSUVのモックアップである。当時はまだデザインスタディの域を出ていなかったが、「ジャパンモビリティショー2023」ではランドクルーザーSeという車名とともにデザインを改めて、より量産車らしいスタイリングで発表された。
その際に明らかにされたスペックは、全長5150×全幅1990×全高1705mm、ホイールベースは3050mmで乗車定員7人の3列シート車であるというもの。EVならではの静粛性と、モノコックボディで意のままに操れるハンドリングとラフロードを安心して走れる走破性を両立したと発表された。
以後、現在まで詳細について公式発表はないが、e-TNGAアーキテクチャーをベースにしたマルチパスウェイプラットフォームが採用されることは間違いない。インディアナ工場で生産されている3列シートSUV「ハイランダー」、「グランドハイランダー」をベースにEV化したものと考えるとわかりやすいだろう。
ちなみにグランドハイランダーのボディサイズは、全長5160×全幅1989×全高1781mm、ホイールベースは2949mm。数値的には若干の違いはあるものの、ランドクルーザーSeとの見た目のサイズ感は極めて近い。
バッテリーはミシガン州のLG新工場から供給
ランドクルーザーSeの駆動方式は前後にモーターを備える4WDのみ。ランクルファミリーの一員である以上、グランドハイランダーにラインナップされるFFモデルは設定されない。また2モーター化により、駆動用バッテリーもbZ4Xより大容量化される。電池セルおよびモジュールは、LGエナジーソリューションから供給を受けることはすでに発表済だ。
2025年から稼働を始めるミシガン州のLG新工場から供給されるハイニッケルNCMAモジュールをトヨタのケンタッキー工場でパックに組み立てて搭載する。なお、バッテリー組み立てラインの増設については、ランドクルーザーSeだけでなく将来の生産が予定される新しいEV車への搭載も見込んでいると発表されている。
ランドクルーザーSeは、2025年モデルとして早ければ今年後半から生産が始まる見込み。北米エリアを皮切りに、欧州や中国、さらにJMSで世界初公開されたことから日本でも発売される可能性がある。
また、同車をベースにしたレクサス車、またスバル向けの車両も生産されると複数の現地メディアが報告しているのも気になるところ。いずれにせよ、最初の量産プロトタイプの公開までさほど時間はかからないだろう。