北九州市に本拠をおく株式会社EVモーターズ・ジャパンが、今後の急速な需要増が予想されるEVバスなどEV商用車の国内最終組み立て施設「ゼロエミッション e-PARK」を建設中だ。EVバスの車体は多くを輸入に頼っているのが現状。同施設はその国産化に取り組む初の量産工場となる。(タイトル写真は同施設の最終完成予想図)

第一期工事が完了し一部施設は稼働を開始

路線/観光バスのEVシフトが進み、さらには自動運転レベル4を目指したEVシャトルバスの実証実験が全国各地で急増している。だが、そこで使われているEVバスの車体は、ほとんどが海外からの輸入で賄われているのが実情だ。自動運転のソフトウエア領域では日本も最先端を走っているものの、肝心のバス車体の需要増への対応は心もとなかった。

そんな課題解消に向け、いち早く動き始めたのが北九州市に本拠を置く株式会社EVモーターズ・ジャパン。同社はかねてよりEVバスを中心とした商用EVおよび充電ステーションの販売/メンテナンス事業などスマートモビリティ事業に取り組んできたが、国内初となるEVバスの量産/最終組み立て工場「ゼロエミッション e-PARK」を立ち上げ、自社による商用EV車の最終組み立て事業に乗り出す。

画像: EVモーターズ・ジャパンが国内導入してきたEVバスの例。大型の路線/観光バスからコミュニティバスまで企業や自治体に納入してきたが、車両本体は海外からの輸入に頼ってきた。

EVモーターズ・ジャパンが国内導入してきたEVバスの例。大型の路線/観光バスからコミュニティバスまで企業や自治体に納入してきたが、車両本体は海外からの輸入に頼ってきた。

すでに昨年12月には最終組み立て工場の一部と検査棟を含む第一期工事を完了し、現在は試運転コースやオフィス棟の2024年内の完成に向けた第二期工事が始まっている。まずは海外生産車の受入れ時の検査および出荷前検査を2月から、またバス車両の架装を4月より開始できるよう準備を進めている。同時に国産化に向けて生産設備を順次導入し、国産EVバスの本格展開を軌道にのせていく計画だ。

EVモーターズ・ジャパンでは、「ゼロエミッション e-PARK」を単にEVバスの量産拠点としてだけでなく、「EVを広げる・EVを感じる・施設を楽しむ」をテーマに、EV体験(試乗/試運転)、工場見学、EV資料館等までを一貫して楽しめる、体感型EV複合施設としての活用を目標に掲げている。商用EV量産体制の構築とさらなる車両ラインナップの拡充をはかるととともに、福岡県の新たな地場産業の創出、雇用機会創出による地域社会の発展に貢献を目指す。

画像: 写真上は最終組み立て工場(一部)。順次生産設備を導入しEV車両の組み立て体制を整えていく。下は検査棟で海外製車両の受入れ時検査と出荷前検査を行う。

写真上は最終組み立て工場(一部)。順次生産設備を導入しEV車両の組み立て体制を整えていく。下は検査棟で海外製車両の受入れ時検査と出荷前検査を行う。

【「ゼロエミッション e-PARK」施設概要】
・所在地:福岡県北九州市若松区向洋町22番地1
・総面積:5万8000平米
・施設内容:商用EV最終組み立て工場、完成車両試運転コース、実証実験/自動運転テストコース、リユースバッテリー組立、充電設備、工場見学、EV資料館、EV体験(試乗/試運転)等
・生産品目: EVバス、EV物流車、EV特殊車両(移動電源車含む)、リユースバッテリー組立等。
・実施行程:国内外のOEM パートナーよりパーツ類を調達し、新工場にて最終組み立てを行う。
・生産能力:2024年は数台から生産をスタート、最終的には年産1500台を目指す。
・風力発電や太陽光発電を活用した再生エネルギーによる自立発電にて稼働予定。

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