2024年1月23日、日本特殊陶業は自動車整備業界が抱える課題解決のため、ドローンを使って自動車整備工場に部品を配送する実証実験を熊本県御船町で実施したと発表した。

物流業界と同様の課題、人手不足やコスト低減に貢献

物流業界にはいま、配送スピード迅速化の必要性や人手不足、燃料費の高騰をはじめとして、2024年に施行される労働基準法の改正いわゆる「働き方改革」によるドライバーの収入減や配送コストの増大など多くの課題があると言われている。矢野経済研究所によると、2019年度に20兆円ほどだった物流市場規模は、運賃や物流費の高騰を主な要因として2023年度に約24兆円に拡大すると予測されている。

こうした状況は自動車整備業界も同様だという。ユーザーが車検整備や定期点検などで交換することになる補修部品は、生産工場から地域の部品商に在庫され、整備工場にルート配送される仕組みだ。消耗品のような部品であればつねに在庫してスピーディに交換することもできるが、交換頻度の低い部品や緊急性の高い修理に必要な部品など、整備工場からの注文を受けてから個別配送するようなケースでは「配送人員をいかに確保するか」や「緊急配送のコストをいかに軽減するか」が課題になっている。

このほかにも課題は多く存在するが、今回ドローンを活用することで人員確保や配送コストの低減などに貢献する実証実験が行われた。

これを実施したのは、ガソリンエンジン搭載車に搭載されるスパークプラグや酸素(O2)センサーのジャンルで世界シェアナンバー1(2022年3月末時点)を実績とする日本特殊陶業だ。NGKやNTKといった新車装着・補修部品のブランドを持つ同社は、売上高構成比の約8割が自動車関連であり、こうした課題は解決すべき重要な要件だろう。

画像: 日本特殊陶業はスパークプラグ(左)やセンサー(右)のほかにも、半導体パッケージや超音波振動子などセラミックを使った製品を開発、製造している。

日本特殊陶業はスパークプラグ(左)やセンサー(右)のほかにも、半導体パッケージや超音波振動子などセラミックを使った製品を開発、製造している。

今回の実証実験ではユーザーのより快適なカーライフをサポートするため、ひとりの操縦士が複数のドローンを操作することで少ない人員・安価なドローン配送システムを創り上げること、そして、渋滞や地形に影響されない直線飛行によるスピーディな配送システムの構築が目標に据えられ、2024年1月15〜18日の期間に熊本県御船町で行われた。

日本特殊陶業は「ドローン配送システム構築やプロジェクト管理」を役割として、TOMPLAは「航路設計・実証実験のコーディネート」、フタバは「部品商のオペレーション」など、7つの企業・団体・自治体がそれぞれの役割を持っての実施だ。

ドローン配送は部品商から複数の整備工場に向かうルートは河川上空を活用した空路で、順調に配送する「正常系シナリオ」と、モーターやプロペラに異常が発生する事態を想定した「異常系シナリオ」も繰り返し行って各種データ取得。操縦士が安全に配送、異常に対処するプロセスを確認したという。

今回はスパークプラグやイグニッションコイルといった比較的軽量な部品の配送だったが、対応できる耐荷重、大きな部品の場合や荒天時の対応など、気になることはある。今後は得られたデータを分析し、サプライチェーンが抱える課題解決に向けて、業界特化型のドローン配送システムの構築に向けて進んでいくという。

画像: 自動車整備工場へのドローンによる部品配送実証実験 youtu.be

自動車整備工場へのドローンによる部品配送実証実験

youtu.be

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