JARI(日本自動車研究所)は2022年11月1日〜2日の2日間、城里テストセンター(STC:茨城県東茨城郡城里町)内において、「第2回ADASテクノフェア2023」を開催した。展示エリアにはJARIを含む15の会社/団体がブースを構え、最新のADAS試験用ダミーや計測機器、センサー類を出品し2日間で485名が参加した。
2022年に新設されたADAS試験場を使用
今回はこのテクノフェアで実施されたイベントの中から、ADAS(先進運転支援システム)試験には欠かせない自動運転ロボットを使ったADAS試験のデモンストレーションについてレポートしたい。
まず、この会場となった「JARI」について簡単に説明する。この名を聞いてそれが何なのか、すぐにわかる人は少ないだろう。しかし、クルマ好きなら車両の様々なテストを行う場所として認知している人も多いはずだ。
現在はつくば市となったかつての“谷田部(やたべ)”に高速周回路があり、1960年代から約半世紀にわたって自動車メーカーやサプライヤーの研究開発の他、自動車専門誌の最高速や加速性能を試す場としても使われていた。
その高速周回路は、鉄道である「つくばエクスプレス」の開業に伴って2005年に現在の茨城県城里町へ移転。谷田部時代と同等の5.5km、設計最高速度190km/hの設備を備え、さらに時代の変化に合わせて水素自動車や燃料電池車のための安全評価試験設備も新設された。
そして、2022年には新たにADAS試験場が開設され、これまで不可能だった交差点での模擬試験などもここで行うことが可能になった。縦方向500m、横断方向300mの直線路が直角に交わる部分を扇型で用意し、最高で「80km/h対60km/h」の速度で交差点評価が可能になっているという。今回実施されたADAS試験用ロボットのデモはこの場所を活用して実施されたというわけである。