ヤリスクロスベースのEV「アーバンSUVコンセプト」お披露目
トヨタは欧州では2026年までに乗用車から小型商用車までEV6車種をラインナップ。乗用車では既発売のbz4Xに加え、BセグメントのコンパクトSUV「アーバンSUVコンセプト」とスポーティなクーペSUV「スポーツクロスオーバーコンセプト」をそれぞれ2024年と2025年に発売し、bZ4Xとともに3車種の完全電動SUVのラインナップを揃える。
世界初公開された「アーバンSUVコンセプト」は、同社のマルチパスウェイ戦略に基づき、ヤリスクロスをベースに開発されたマルチパスウェイプラットフォームを採用するBセグメントEVだ。
「アーバン SUV コンセプト」。2024年に欧州で発売開始。日本で発売されたら人気が出そうだ。
ボディサイズは全長4300×全幅1820×全高1620mm。今回公開されたコンセプトモデルは、2024年に発売される市販モデルに極めて近いという。FWDとAWDをラインナップするほか、搭載バッテリーは2種類の容量から選べる「デュアルバッテリー戦略」を採用。車両価格を抑え、広く普及させることを狙う。
「スポーツクロスオーバー コンセプト」。Z世代に向けて開発されたクーペSUV。欧州で2025年に発売予定。
一方、上海モーターショー2023でワールドプレミアされたコンセプトカー「スポーツクロスオーバーコンセプト（上海ではbZスポーツクロスオーバーと呼ばれた）」は、BYDとの合弁で設立した「BYD TOYOTA EV TECHNOROGY」が開発。中国と欧州での発売を計画しており、生産は一汽トヨタが担当する。中国国内では2024年内に発売開始を予定している。欧州での発売は2025年だ。
欧州専売の商用車もEVシフト、ハイブリッドのハイラックスも追加
またジャパンモビリティショー2023で世界初公開されたコンセプトカー「レクサスLF-ZC」も登場。2026年の発売に向け、車載OSアリーンやギガキャストの採用など次世代テクノロジーの全貌が語られたほか、同車とSDVアーキテクチャを共用するトヨタのコンセプトカー「FT-3e」と「FT-Se」も欧州で初めて公開された。さらに全固体電池登載車も2027年をめどに欧州市場に投入することも明言された。
110kWhの大容量バッテリーを搭載する「プロエースMAX」。商用車もEVシフトが進む。
電動化の領域は、乗用車だけにとどまらない。欧州専売のバン「プロエース」にも2024年にEVモデルが加わる。駆動用モーターの最高出力は270hp（200kW）／410Nm。搭載バッテリーは110kWhの大容量、航続距離はWLTPで420kmだ。EVならではのスムーズで快適な乗り心地を実現するとともに、プロのハードな使用にも耐えうるタフな構造を実現したそうだ。
さらにEVではないものの、ハイラックスの48Vハイブリッドモデルも公開。2.8Lディーゼルエンジンに新開発のハイブリッドシステムを組み合わせ、システム総出力は204hp（150kW）／3400rpmと500Nmのトルクを1600-2800rpmで発生する。こちらも2024年に発売予定だ。
新型ハイラックス48Vハイブリッド。全長5325×全幅1900×全高1815mm、荷台長は1525mmだ。
トヨタは2026年までに欧州市場でEV専用車を6モデルラインナップすると表明し、同年には25万台／年のEVを販売する計画だという。すでに発売されているbZ4Xに加え、今回公開された3車種によって6台のうち4台は概ね明らかになった。
とはいえ、まだ隠し玉は2台ある。「FT-Se」、「FT-3e」の市販車が発売されるのだろうか。レクサスLF-ZCとSDVアーキテクチャを共用することが伝わっており、登場は2026年以降となるだろう。欧州からの続報を楽しみに待ちたい。
